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[2K16] 研究用原子炉JRR-3における長期停止中に蓄積する可燃性毒物の影響について
キーワード:JRR-3、ベリリウム反射体、可燃性毒物
JRR-3は平成22年11月から定期自主検査期間に入り、その後平成25年に施行された試験研究炉に係る新規制基準への適合性確認が令和3年2月に完了し、運転再開を果たした。JRR-3の炉心には反射体としてベリリウムを採用しているが、同様にベリリウム反射体を採用している海外の大型研究炉において、長期停止した場合に高速中性子の照射影響により熱中性子吸収断面積の大きいHe-3がベリリウム中に蓄積されることで、過剰反応度が低下することが報告されている。 JRR-3では約10年ぶりの運転再開に際し、長期停止中におけるHe-3等の可燃性毒物の蓄積による反応度への影響を評価するとともに、長期停止後の初臨界においては臨界近接実験による臨界制御棒位置の予測及び炉心の過剰反応度の測定を実施した。また、令和3年度の施設供用運転においては、制御棒の挙動から長期停止中に蓄積した可燃性毒物の消滅を観測した。本発表では、長期停止中に蓄積した可燃性毒物の挙動と運転への影響について報告するものである。