2022年秋の大会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 201-1 原子核物理,核データ測定・評価・検証,核反応工学

[2N11-16] 核反応理論

2022年9月8日(木) 15:55 〜 17:30 N会場 (E2棟1F 102番教室)

座長:岩本 修(JAEA)

16:25 〜 16:40

[2N13] 4次元ランジュバン模型によるモード別核分裂片平均全運動エネルギーの励起エネルギー依存性

*島田 和弥1、石塚 知香子1、千葉 敏1 (1. 東工大)

キーワード:核分裂、ランジュバン模型、運動エネルギー、フィッションモード、殻補正

核分裂で放出されるQ値の9割以上は分裂片の持つTKE(全運動エネルギー)である。励起エネルギー増加によりTKEが減少することは実験的に知られている。分裂片は、対称分裂し小さいTKEを有するSuper-long(SL)モードと、A=132近傍の殻効果の影響を受けて非対称かつ大きいTKEを有するStandard(ST)モードに分類される。これまでTKE減少は励起エネルギーと共にSLモード割合が増加するためと解釈されてきた。しかし、我々の4次元ランジュバンモデルに基づく研究は分裂片の変形度に着目し、TKE減少にはSTモードの重い分裂片の変形度増加が大きく寄与していることを明らかにした。 本研究では、モードごとのTKE励起エネルギー依存性の計算を分析し、励起エネルギー増加に伴う分裂片変形度増加の背景を探った。その結果、励起エネルギー増加に伴い分裂片は殻補正を失い、液的模型に近くなることが示唆された。