2022年秋の大会

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VI. 核融合工学 » 601-2 核融合炉材料工学(炉材料,ブランケット,照射挙動)

[3H01-06] 照射挙動

2022年9月9日(金) 09:30 〜 11:00 H会場 (E1棟3F 33番教室)

座長:徳永 和俊(九大)

09:45 〜 10:00

[3H02] 高エントロピー化した銅酸化物超伝導体の照射影響評価

*櫻井 洸太1、大野 直子1、山下 愛智2、水口 佳一2、藪内 聖皓3、橋冨 興宣3 (1. 横浜国大、2. 都立大、3. 京大)

キーワード:ハイエントロピー、超伝導マグネット、照射欠陥、磁束ピン止め

核融合炉では中性子照射により超伝導体に多くの照射欠陥が導入され、特性が劣化する。一方で、高エントロピー合金(HEA)は照射損傷を抑制し耐照射性を持つと分かっている。我々は超伝導体YBa2Cu3O7-δ(YBCO)のYサイトを複数の希土類元素で置換したHEA型超伝導体が同様の効果を持つと期待している。今回、YBa2Cu3O7-δ(YBCO)とY0.39Sm0.30Eu0.31Ba2Cu3O7-δ(ME-REBCO)、Y0.18La0.24Nd0.14Sm0.14Eu0.15Dy0.15Ba2Cu3O7-δ(HE-REBCO)の多結晶試料へ1MeVのHe+イオンをおよそ70 mdpaまで室温照射し、SQUIDによる磁化測定とTEMによる微細構造解析を行った。超伝導転移温度に変化はなかったが、HE-REBCOでは照射後の規格化磁化が大きくなり、特性の向上が示唆された。全ての試料で照射欠陥が生成したが、HE-REBCOでは小さい傾向が見られた。照射欠陥の体積分率が小さいことに加え、微細な欠陥による効果的な磁束ピン止めが特性を向上させていると考えられる。