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[3I07] 原子力発電に対する意見形成と保有する知識の関係の研究
キーワード:原子力発電、社会受容、アンケート調査
本研究では、200名の一般市民に対するアンケート調査結果に基づいて、原子力発電に対する意識と知識の関係性を明らかにすることを目的とし、リスク認知・主観的知識量・客観的知識量の関係性の検討を行った。従来の原子力発電の利用に対する態度構造調査の多くでは、原子力発電に対する態度の包括的な調査を行うことを重視しており、リスク認知の構成要素に基づいた詳細な調査は少なく、回答者の知識量の測定方法として、主観的知識量を問う設問を用いているものが多かった。本研究では原子力発電に関する主観的知識量と客観的知識量の差に着目し、原子力発電に対する意識と最も相関性が強い要素は客観的知識量であるという仮説を検証した。結果として主観的知識量と客観的知識量の間の相関は低いが、単に客観的な知識が多いことが原子力を受容する要因ではないことを示す結果が得られた。