2023年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 504-2 核化学,放射化学,分析化学,アクチノイドの化学

[1B08-12] 分離分析技術

2023年9月6日(水) 14:45 〜 16:10 B会場 (IB電子情報館1F IB014)

座長:若井田 育夫(JAEA)

15:30 〜 15:45

[1B11] 迅速簡便なウラン分析を志向したオンチップ型表面増強ラマン散乱デバイスの開発

*米倉 和花奈1、井戸田 直和1、塚原 剛彦1 (1. 東工大)

キーワード:表面増強ラマン散乱、ウラン分析、TLC、金ナノパターン

福島原発廃止措置や核燃料再処理工場など、様々な工程でウラン分析は不可欠であり、極微量で迅速・簡便にウランを分析できる新しい手法が必要となっている。本研究では手のひらサイズのプレート上で、迅速・簡便に分離が可能な薄層クロマトグラフィー(TLC)と、低濃度ウランの分析が可能な表面増強ラマン散乱(SERS)を組み合わせた"TLC-SERSデバイス"の開発を目指し、TLC上でウランのSERS効果を発現する条件検討と評価を行うことを目的とした。ガラス基板上にポリスチレンナノ粒子を自己組織化的に配列させた後、そこに金膜を蒸着させることで、金ナノパターン構造を有するTLC-SERSデバイスの作製に成功した。本デバイスを用いて硝酸ウラニル溶液のラマンスペクトルを測定したところ、通常のラマン信号に比べて高強度のSERS信号が得られ、その濃度感度はサブナノモルレベルであることを実証した。本手法は、廃液中のウランの高感度検出法として利用できることを明らかにした。