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[43] 事業所数に着目した東日本大震後の環境変化について
―人口が増加した福島県いわき市を対象として
キーワード:事業所、人口変化、土地利用、東日本大震災、原発事故
本研究は,東日本大震災による原発事故の発生により原発立地地域からの避難者の受け入れ等に伴い,人口が増加した福島県いわき市を対象として,事業所数の変化を明らかにすることを目的とするものである。人口変化と同様に事業所総数が大震災後に増加に転じるなかで,産業大分類別にみると特に建設業や宿泊・飲食業が増加したことがわかった。このことを小地域単位でみると,第一種低層住居専用地域に指定される住宅地や国道6号をはじめとする幹線道路沿線に位置する既成市街地,さらには調整区域や都市計画区域外において,産業によっては増加を示す小地域があることがわかった。総数でみると,大字平と大字小名浜のいわき市内で都心拠点と広域拠点に位置づけられる地区の中心市街地を含む小地域において,増加と減少という対照的な変化が明らかとなった。人口は増加するものの日常生活に必要な小売業などの事業所数が減少しており,中心市街地を構成する街区内では低未利用地化の進行を確認することができた。両地域は,立地適正化計画の居住および都市機能を誘導する対象地域となることより,人口の変化と相補関係を構築した都市機能や住宅の誘導を図っていく必要がある。