2020年度全国大会(第55回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[90]-[100]

2020年11月8日(日) 13:00 〜 17:00 第I会場

司会:梅本 通孝(筑波大学)、馬場 美智子(兵庫県立大学大学院)、客野 尚志(関西学院大学)

15:40 〜 16:00

[97] 防災集団移転促進事業の移転元地における土地情報の提供策の特徴

―東日本大震災の復興事業を事例として

○峰嵜 悠1、菊池 雅彦1、土川 豊2、大沢 昌玄3 (1. 国土交通省、2. 株式會社オオバ、3. 日本大学理工学部土木工学科)

キーワード:東日本大震災、復興、空き地利用、防災集団移転事業移転元地

東⽇本⼤震災の被災地域における防災集団移転促進事業の移転元地を含む低平地では、土地活用が課題となっており、市町村が土地利活用促進に向けた土地情報の提供を行っているが、その提供方法や留意点については明らかになっていない。
本研究では、防災集団移転促進事業を実施する岩手県、宮城県、福島県の移転促進区域を対象に、土地情報の提供の取り組みの分析を行った。
その結果、1)対象地は公有地・民有地が混在している地区が存在するが、土地情報を積極的に公開し、特に、周辺の民有地も一体的に、売却、貸し出しの候補として公募するという工夫が見られたこと、2)土地情報の公開にあたり、情報の調査、整理を行うため費用や時間を要すること、民有地の情報の整理、公開に向けては意向調査を行う必要があり、これらに作業時間、人員、費用を要することが明らかとなった。
これらのことから、今後の災害復興においても早期に土地情報を整理していくこと、事前復興として、地籍調査や土地利活用の方向性を調査していくことが重要であること、空き地が増加する地⽅都市においてもこの取り組みが参考になる可能性があることを⽰すことができた。