2020年度全国大会(第55回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[129]-[136]

2020年11月8日(日) 09:00 〜 12:00 第IV会場

司会:小林 敏樹(北九州市立大学)、宮川 智子(和歌山大学)

09:20 〜 09:40

[130] 社会的紐帯としての神社祭礼の形式と運営の変容に関する研究

―福井県吉田郡永平寺町柴神社を事例として

山田 歩美1、○加藤 雅大1、有賀 隆1 (1. 早稲田大学理工学術院)

キーワード:神社祭礼、変容、住民意識、社会的紐帯、組織運営、氏子組織

本研究は「過疎地域神社活性化推進施策」を受け、氏子と神社が地域運営を担う一員同士の繋がりであるという視点の上で祭礼運営を行うことが重要であるという背景を受け、社会的紐帯と祭礼形式の変容の相互関係を解明し、祭礼形式が変容しながらもそれが持続していく上での課題を、氏子側の祭礼に対する意識を踏まえ考察することを目的としている。⑴祭礼内容の歴史的変容、⑵祭礼を実行する組織運営、⑶祭礼に対する住民意識、以上3点について調査の結果、⑴対象神社の祭礼は福井地震を契機として祭礼内容が変容し、現在も人口減少に合わせて一部内容を変化しながら継続している。⑵氏子は町内会を介して祭礼に参加している。⑶氏子の祭礼に対する意識は各町内の人口特性や祭礼への参加形式の多様性によって各町内で差異が生まれている。以上より対象神社における社会的紐帯は町内会を介した間接的且つ段階的な繋がりの上に成り立つ事が明らかになった。また、各町内毎は祭礼形式に利点や課題を持ちつつも、全体としての枠組みは全地区で一貫されている事が地域運営の課題といえ、各町内の組織が有する祭礼形式の変容の方向性や課題を共有する事が重要であると考えられる。