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[3] 土地利用の構成と建物密度および人口密度からみる居住誘導区域の特徴
-埼玉県を対象としたケーススタディ
キーワード:居住誘導区域、都市形態、人口密度、クラスター分析
都市再生特別措置法に基づく立地適正化計画の策定が全国で進んでおり、各自治体は主に人口密度を基準として居住誘導区域の指定を行っている。ところが、建築物や道路などの都市の物的環境や農地の量や配置(都市形態)は十分に考慮されておらず、居住誘導が望ましくない区域もある。本研究では、都市形態のうち量として土地利用の構成と建物密度に着目する。埼玉県を対象にクラスタ―分析を行い、土地利用の構成と建物密度に基づいて都市形態を類型化し、その結果と居住誘導区域および人口密度を比較することで、土地利用の構成、建物密度と人口密度から居住誘導区域の特徴を明らかにした。主要な知見として、(1)建築物・道路・農地が混在している区域(農住混在地)は居住誘導区域の境界部に多く位置し、そのような区域を居住誘導区域内に含む割合は18.9%(川越市)から72.4%(越生町)まで幅広く分布すること、(2)居住誘導区域内であっても、市街地と農住混在地では人口密度の分布に明確な差があることがわかった。各自治体が居住誘導区域を定める際には、都市形態の量の観点から即地的に分析し、居住誘導区域内であっても都市形態を考慮して人口密度を把握すべきである。