2023年度全国大会(第58回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[35]-[41]

2023年11月11日(土) 09:20 〜 11:50 第IV会場 (A棟 G22教室)

司会:一ノ瀬 友博(慶應義塾大学)、椎野 亜紀夫(札幌市立大学)、寺田 徹(東京大学)

09:40 〜 10:00

[36] 都市の街路樹景観における緑の量と質が歩行者に与える快適性に関する研究

○吉田 尭史1、大野 朋子2 (1. 元神戸大学国際人間科学部、2. 神戸大学大学院人間発達環境学研究科)

キーワード:緑視率、緑化デザイン、緑被率、街路樹

本研究では、都心部に多く見られる線形的な街路における緑視率の高さと街路樹の植栽デザインが人々の快適性に与える影響について調査した。まず、 落葉樹・常緑樹・生垣などの街路樹種の選定およびその配置といった植栽デザインの違いによる快適性の感じ方について調べたところ明るい印象のある落葉樹を街路に配した植栽デザインが好まれることが明らかになった。さらに、緑視率の違いによる快適性の差異について調べたところ、緑視率が 25% の風景が最も快適に感じられることが明らかになった。また、生活志向や年齢層などの違いによる快適に感じる緑視率に違いについて調べたところ、アウトドア志向の人はより緑視率が高い街路景観を好む一方でインドア志向の人は緑視率が高すぎない街路景観を好む傾向があった。そして、年齢層別に見ると、高年齢層は他の年齢層に比べて緑視率が低い街路景観を不快に感じる傾向があることが明らかになった。以上のことから街路景観においては植栽デザインおよび緑視率によって快適性が異なるだけでなく、生活者の生活志向や年齢によっても快適性の感じ方に違いがあることが明らかとなった。