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[37] 歴史的環境を有する観光地景観の域外チェーンによる均質化とそのコントロール
キーワード:観光地景観、景観コントロール、域外資本、広告物
本研究では、域外チェーンが出店する歴史的環境を有する観光地景観を対象に、その景観に対する来訪者の評価構造を把握し、均質的な印象を形成する景観構成要素およびそれらに対する景観コントロールの導入効果について明らかにする。評価グリッド法の結果から、均質的な印象は一般市街地に氾濫する意匠・素材・商品の存在、広告物の数やその記載情報により形成されていることを明らかにした。加えて、移設が容易な立て看板・ポスター等により均質的と印象付けられていることを示した。以上から、地域組織、自治体、事業者の3者で評価基準を定め均質的な印象を与える構成要素を除去すること、そして均質的な印象形成の抑制には、届出後に地域組織や自治体の確認を受けずに掲出される状況への対応のため、事業者と地域組織が定期的な協議や点検を行うなどの有効性が示唆された。