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[40] 広島都心部の屋外空間を対象とした夏季熱環境改善方策導入のポテンシャル評価
-公有地と民有地の違いに着目して
キーワード:都市高温化、民有地、歩行者分布、CFD、熱環境改善策
近年都市高温化が進み、夏季の熱的快適性低下等の様々な影響が生じている。特に都市中心部は多くの人々が生活しており、屋外空間の熱環境改善は喫緊の課題といえる。従来、屋外熱環境の改善は、街路等の公有地で行われてきたが、近年は民間のまちづくりによる駐車場等の民有地での環境整備が行われるようになりつつある。そこで本研究では、広島都心部を対象に、まずエリア全体の歩行者分布の熱環境による影響を把握し、次に、公有地と民有地それぞれに対して熱環境改善策を導入し、数値計算を用いて熱環境改善効果を評価することで、そのポテンシャルを把握することを目的とした。結果として、夏季と秋季の歩行者分布に差が見られた。そのため、夏季の屋外の歩行者分布は熱環境の制約を受けていると考えられ、夏季熱環境の改善が必要といえる。また、公有地と民有地の両方への熱環境改善策導入の熱環境改善効果が大きく、公有地と民有地への連続的な緑地や一体的な熱環境改善が効果となって現れたと考えられる。そのため、導入に向けて、官民連携によるまちづくりの現場で、熱環境改善策導入を支援するツールの提案が必要と考えられる。