2023年度全国大会(第58回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[42]-[44]

2023年11月11日(土) 13:30 〜 14:30 第IV会場 (A棟 G22教室)

司会:岩見 達也(国土技術政策総合研究所)、石原 凌河(龍谷大学)

14:10 〜 14:30

[44] 気候変動下のSSP・RCP別将来像に基づく市街地の夏季温度分布の日変化解析

-実測結果との比較を踏まえた解析モデルを用いて

○山崎 潤也1、若月 泰孝2、飯塚 悟3、吉田 崇紘4、似内 遼一1、真鍋 陸太郎1、村山 顕人1 (1. 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻、2. 茨城大学理工学研究科地球環境科学領域、3. 名古屋大学大学院環境学研究科都市環境学専攻、4. 東京大学空間情報科学研究センター)

キーワード:気候変動適応、将来シナリオ、CFD、3D都市モデル、実測調査

気候変動に伴う気温上昇の影響は我が国でも顕在化しており、特に都市部における屋外環境の高温化が顕著である。本論文は都心市街地を対象とし、SSP・RCP別将来像における夏季温度分布の日変化をCFDにより解析した内容を報告する。その際、将来の市街地形態はエキスパートジャッジメントに基づいて決定し、気象条件は全球気候モデルより構築された将来の気候データを参照して決定した。本論文の既往研究からの発展性は以下にある。 1. 解析結果と実測結果の比較を踏まえた解析モデルを用意した。 2. 各解析を非定常で実施し、夏季日中の10時から18時の経時変化を把握した。 3. SSP1-1.9、SSP2-4.5、SSP5-8.5の3つの将来シナリオを用意した。 解析の結果、SSP1-1.9は気温上昇が小さい点、SSP5-8.5は建築物の高層化により日陰面積が拡大する点で他のシナリオよりも暑熱リスクが小さくなることが示唆された。これより、まちづくり分野における気候変動適応の推進に向けて新たな知見が創出されたものと結論づける。