2023年度全国大会(第58回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[55]-[61]

2023年11月11日(土) 09:40 〜 12:10 第VI会場 (A棟 G31教室)

司会:村上 しほり(大阪公立大学)、神山 藍(東洋大学)、籾山 真人(東京女子大学)、中島 伸(東京都市大学)

11:30 〜 11:50

[60] 戦前期の東京における路線的商業地域指定の変遷と沿道の実態変化

○森本 果歩1、中川 嵩章2、真田 純子3 (1. SMBC日興証券株式会社、2. 宇都宮大学地域デザイン科学部、3. 東京工業大学環境・社会理工学院)

キーワード:用途地域、路線的商業地域、東京、沿道、実態

路線的商業地域は、戦前期に行われたほとんどの都市計画で採用されたが、計画意図や指定後の土地利用変化は明らかになっていない。この研究は、道路の規模や沿道の土地利用といった特徴からみた計画意図の変遷と,指定後の土地利用変化を把握し,戦前期の東京都市計画における路線的商業地域の性質を明らかにすることを目的とする。
東京都市計画の指定の状況と指定時の議論を分析すると、戦前期では、路線的商業地域は主に住居地域内で使われていた。
1)計画街路の商業発展を補助する
2)計画街路が完成するまでの間、既に商業発展している路線を代替商業中心地にする
3)商業地を路線的に連続させる
上記の3つの計画意図がみられ、沿道の用途面と体裁面が考えられていた。
指定後の沿道の土地利用変化をみると、効果がみられた路線もあればそうでない路線もあるが、都市を商業的に発展させる手段としての汎用性があったことが,戦前期に全国的に広まった理由と考えられる。