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[62] 郊外住宅地居住者の従事する産業分類から見た居住地分化に関する一考察
-人口減少過程にある大都市圏:関西都市圏下のニュータウンを対象に
キーワード:郊外住宅地、ニュータウン、産業分類、セグリゲーション、郊外のデグレード
我が国の郊外住宅地は、開発から数十年が経過しており世代交代の時期に差し掛かる。また社会状況の変化から、働き方の多様化や主要産業の変化も起きている。本稿では、現代の郊外住宅地は、開発当初と異なり居住者の従事する産業に基づく住宅地間の分化が起きていると仮説立てた。そして本仮説を検証することで画一的な郊外論ではなく、個々の住宅地に適した再生論を検討する視座を得ることを目的とする。人口減少が進む関西都市圏下の郊外住宅地を対象に、2000年、2010年、2020年時点の居住者の主たる従事産業を把握し類型化を行った。そのうえで各類型の空間特性と居住者構造の変化を整理している。その結果、現代では、従事する産業に基づく郊外の分化が起きている一方で、一部の住宅地では多様な産業を包摂する傾向が伺えた。また郊外のダウングレード/デグレードの傾向も確認された。こうした知見より、郊外住宅地の再生を考える際には新しい雇用や若い世代の流入を促進する必要がある反面,産業の多様性の内包と独自性の強化のどちらのベクトルに進むか個々の住宅地での検討が必要となり得る。