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[82] 日常における外来医療への空間的アクセシビリティの分析
-徒歩および自動車によるアクセスに着目して
キーワード:外来医療、空間的アクセシビリティ、診療科、交通手段、空間格差
本研究の目的は、救急搬送等ではない日常生活における外来医療への空間的なアクセシビリティを詳細な空間スケールで評価して、その空間分布の特性をアクセスに用いる交通手段や人口、産業集積などの地域属性と関連付けながら明らかにすることである。本研究では受療の多い8つの診療科に着目し、東京都郊外の南多摩医療圏を対象地域として、アクセス可能性の有無に留まらず、診療科の充実度や複数医療機関からの選択可能性など、住環境要素としての医療アクセシビリティを複数の観点から評価した。 その結果、対象地域においては、自動車が利用可能であれば、居住地や診療科によらずアクセシビリティが十分に高く、多くの医療機関の中から受療先を選択できる状況である反面、交通手段が徒歩に限定されると、アクセシビリティの高い地域は鉄道駅周辺などに集中し地域格差が大きいことが明らかになった。