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[140] 旧龍野城下町における歴史的地区の古民家再生とまちづくり会社の役割
キーワード:古民家再生、空き家活用、観光まちづくり、まちづくり会社、サブリース事業
本研究では,兵庫県たつの市龍野地区における古民家再生の手法とまちづくり会社の役割を明らかにした.具体的には,龍野地区の物件に特化した不動産及びまちづくり会社である緑葉社による,買取再販・サブリース併用事業を用いた古民家再生スキームと各ステークホルダーの参画要因を明らかにし,他地域のスキーム導入方法との比較を通じてその有効性を明らかにした.龍野では,緑葉社が古民家を購入して改修費を一部負担し,収益性や事業方針を基準に入居者を選定した.また,入居付けを行った状態で古民家を投資家に売却し,マスターリース契約を結ぶことで複数物件を管理した.このように,まちづくりのビジョンを共有する投資家を物件の所有者にし,地域の文化を活かして発信する事業者を入居者にする仕組みが構築された.スキーム導入の段階では,長年まちづくり活動を行ってきた地域住民や古民家事業者との連携による物件の情報収集や資金調達課題の解決,地域イベントを基盤とした入居者選定の機会の重要であることがわかった.