日本認知心理学会第15回大会

講演情報

口頭講演

感情・動機

[O3] 口頭3 《感情・動機》

2017年6月3日(土) 13:15 〜 14:45 口頭発表会場2 (515教室)

座長:楠見 孝(京都大学教育学研究科)、乾 敏郎(追手門学院大学)

13:45 〜 14:00

[O3-03] 自己報告型の共感性が共感正確性課題に及ぼす影響

*難波 修史1、松田 聖顕1、宮谷 真人1、中尾 敬1 (1. 広島大学)

キーワード:共感正確性、共感、想像性

他者の内的状態を正確に推量する能力を共感正確性という (Ickes, 2001)。本研究では,対話している人物の情動的な内的状態を推量する課題と認知的な内的状態を推量する課題の2種類の課題で測定される共感正確性と自己報告型の共感性との関連を検討した。いずれの共感正確性課題においても,登場人物に自分を置き換えて想像する能力が相手の内的状態を正しく推量するのに重要であることが示唆された。さらに,思考のようなより認知的な状態を推量する課題は自己との体験を切り離して相手の立場に自身を置く,ということが正確性と関連する可能性が示され,より情動的な状態を推量する課題では相手の情動体験を模倣し共有してしまう情動伝染的なメカ二ズムが重要である可能性が示された。今後の研究では,異なる推量対象に対する共感正確性と自己報告型の共感性との関連を検討することで本結果の頑健性について検討していく必要があると考えられる。

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