日本認知心理学会第17回大会

講演情報

口頭発表

[O3] 口頭発表3:思考・言語

2019年5月25日(土) 13:15 〜 14:45 視聴覚研修室 (東館2階)

座長:山 祐嗣(大阪市立大学大学院 文学研究科)、原田 悦子(筑波大学)

14:00 〜 14:15

[O3-04] 多様な記憶が導く正確な集団意思決定

行動実験と計算機シミュレーションに基づく検証

*本田 秀仁1、藤崎 樹2、松香 敏彦3、植田 一博2 (1. 安田女子大学、2. 東京大学、3. 千葉大学)

キーワード:ヒューリスティック、集団意思決定、記憶の多様性

私たちは記憶の主観的な経験に基づく単純なヒューリスティック(e.g., recognition heuristic, familiarity heuristic, fluency heuristic)によってかなり正確な推論ができることを先行研究は示している.本研究では,単純なヒューリスティックの適応的な性質について,集団意思決定の文脈で検証を行なった.具体的には,「集団メンバーの記憶が多様であれば,集団意思決定はより正確になる」という仮説を,行動実験とそのデータを用いた計算機シミュレーションを実施して,理論的な視点から検証を行なった.行動実験と計算機シミュレーションの結果はこの予測を支持するものであった.このことから,集団のグループメンバーが持つ記憶の多様性は,集団意思決定の正確性に影響を与え,パフォーマンスの向上につながる可能性が示された.

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