日本認知心理学会第17回大会

講演情報

ポスター発表

[P1] ポスター発表1:記憶

2019年5月25日(土) 10:00 〜 12:00 セミナー室 (東館2階)

[P1-13] 健常高齢者の日常記憶の縦断的研究(1)

RBMT「物語」の再生内容における10年目の変化

*川﨑 采香1、佐久間 尚子2、大神 優子3、鈴木 宏幸2、藤原 佳典2 (1. お茶の水女子大学大学院、2. 東京都健康長寿医療センター研究所、3. 和洋女子大学)

キーワード:認知的加齢、物語再生、内容分析

日常記憶の加齢変化を調べるため、ボランティア研究に参加した高齢者を対象に日本版リバーミード行動記憶検査(RBMT)の「物語」再生による10年間の縦断的変化を検討した。初回(BL)の年齢分布に基づき、3群(age1:55名(56~64歳)、age2:56名(65~69歳)、age3:46名(70~81歳))に分けた。BLと10年目(F10)の再生内容を25項目別に1点(正再生)・0.5点(類似再生)・0点(誤再生/言及なし)に採点し、3群別の25項目別正答率を求めた。この正答率を従属変数とする3群×2検査回の反復分散分析の結果、群の主効果(p<.01)、群×検査回の交互作用(p<.001)が有意であり、F10でage3の正答率が減少した。また、25項目別の正答率を10%ランク別に区切り、BLとF10のランク変化を見たところ、age1では上昇9項目/下降2項目に対し、age3では上昇2項目/下降6項目であったが、age3の下降は正答率80%以上で2項目、50%未満で3項目だった。以上より、日常記憶の加齢変化は緩やかに生じ、記憶容量が減少することが示唆された。

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