日本認知心理学会第17回大会

講演情報

ポスター発表

[P1] ポスター発表1:記憶

2019年5月25日(土) 10:00 〜 12:00 セミナー室 (東館2階)

[P1-14] 健常高齢者の日常記憶の縦断的研究(2)

物語の再生成績と記憶の自己評価との関係

*佐久間 尚子1、川﨑 采香2、大神 優子3、鈴木 宏幸1、藤原 佳典1 (1. 東京都健康長寿医療センター研究所、2. お茶の水女子大学大学院、3. 和洋女子大学)

キーワード:認知加齢、物語の再生、記憶の自己評価

高齢者の日常記憶の加齢変化を調べるため,ボランティア研究に10年参加した157名を対象に,日本版RBMTの「物語」の再生得点と記憶の自己評価との関連を分析した.記憶の自己評価は①記憶力変化(現在と過去6時点;半年,1,5,10,20年前,18歳頃との7段階評価;1. 悪くなった~4. 同じ~7.良くなった)と②生活健忘頻度(日本版RBMTの生活健忘13項目の4段階評価;0. 全くない~3. 常にある)を調べた.初回BLの年齢を3群(age1:56-64歳55名,age2:65-69歳56名,age3:70-81歳46名)に分け,10年間の得点差が0点以上(維持)/未満(減少)の2群に分けて,2要因多変量検定を行った.年齢群の差はF10得点と記憶力変化(半年前と1年前)に,得点差2群の差はBL得点とF10得点と生活健忘頻度に見られた.以上より,日常記憶の加齢変化は緩やかに生じ,本研究では80歳頃からここ1年の変化として自覚される一方,実際の得点減少が生活健忘頻度の自覚と対応し,記憶の加齢変化の個人差が示された.

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