日本認知心理学会第17回大会

講演情報

ポスター発表

[P1] ポスター発表1:記憶

2019年5月25日(土) 10:00 〜 12:00 セミナー室 (東館2階)

[P1-25] 既有知識に反する誤りの学習と誤りへの注意

*関口 貴裕1、赤井 響香2 (1. 東京学芸大学大学院 連合学校教育学研究科、2. 東京学芸大学大学院 教育学研究科)

キーワード:意味記憶、モーゼ錯覚、知識の無視

意味記憶に関する近年の研究では,事実と異なる誤情報に触れることで,誤りだと知っているにも関わらず,それを正しい情報として想起しやすくなることが報告されている(Bottoms et al, 2010)。これを踏まえ本研究では,こうした既有知識に反する誤りの学習が,学力テスト等の正誤判断問題に相当する刺激・課題(例:ニュートンはピサの斜塔で落体の実験を行った→×)を用いた場合でも生じるかを検討した。またその際,誤りを含む文の正誤判断をする条件と,単にそれを読む条件とを設けて,文中の誤りに注意を向けることが誤りの学習に与える影響も検討した。実験の結果,誤りを含む文の正誤判断により,既有知識に反する誤りの学習が生起することが確認され,この現象が一般性の高いものであることが示された。また,誤りの学習は読み条件でも正誤判断条件と同程度に見られ,誤りに対する注意は誤りの学習に影響しないことが示唆された。

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