日本認知心理学会第17回大会

講演情報

ポスター発表

[P1] ポスター発表1:記憶

2019年5月25日(土) 10:00 〜 12:00 セミナー室 (東館2階)

[P1-29] マンガの読みにおける「文字」と「画」の情報処理-“系列位置”および“二重符号化”の可能性の検討-

*後藤 靖宏1 (1. 北星学園大学文学部 心理・応用コミュニケーション学科)

キーワード:マンガ、文字情報、画情報

マンガの文字情報と画情報が,二重符号化と系列位置のどちらの影響を強く受けているのか,あるいはどちらの影響とも関係なく記憶されているのかを調べるために,それぞれの記憶成績をページごとに調べた.マンガを一読させた後に,台詞内の単語を再生させる文字問題と,コマ自体の再認,登場人物の服の色や柄の再認,台詞を話した人物の再認,および登場人物を再認させる画問題を回答させ,その記憶成績の正答率の推移を比較した.その結果,どちらの情報においてもページ順序による記憶成績の違いは見られなかった.この結果から,文字情報と画情報が混在しているマンガにおいては,二重符号化の処理と系列位置効果のどちらの影響も見られないという可能性が示された.これは,マンガを読む際には二重符号化の処理と系列位置効果が同程度に生じたために結果に反映されなかったか,あるいはどちらの処理も生じなかったと考えられる.今後は,文字情報と画情報が“コマ”として情報処理されているのかを検討することで,マンガの読み方として二重符号化と系列位置効果が生じるのかをさらに詳細に調べることができるであろう.

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