[P2-06] 反響音手掛かりによる標的距離推定に及ぼす内的バイアスの影響
キーワード:エコロケーション、距離推定、視覚阻害
自発音の反響から周辺環境を知覚する手段をエコロケーションとよび,晴眼者でも視覚情報を用いずに障害物までの距離の推定に貢献する。一方で,音の手掛かりから推測される標的までの距離は内的なバイアスの影響を受け,実際の距離に対して過大または過小推定される可能性がある。本研究では,被験者から標的までの距離を操作し,反射音手掛かりから推定される標的距離と実際距離との関係を検討した。また,日にち(1, 2日目)及び回答までの時間遅延(5, 10, 15 s)が推定の正確度に及ぼす影響を検討した。その結果,標的距離推定に影響する内的バイアスは実際距離の心理物理的関数で表され,実際距離に依存して標的距離の過大および過小推定がみられた。距離推定の正答率は2日間で向上したが,時間遅延による影響は認められなかった。本研究の結果は,反響音手掛かりによる標的距離の推定が内的なバイアスの影響を受け,過大または過小推定が生じる可能性を示唆した。
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