日本認知心理学会第17回大会

講演情報

ポスター発表

[P2] ポスター発表2:知覚・注意

2019年5月25日(土) 14:00 〜 16:00 セミナー室 (東館2階)

[P2-14] 見えない,でも不快―円形集合体への無意識的感情処理―

*佐々木 恭志郎1,2,3、渡邊 克巳1、山田 祐樹2 (1. 早稲田大学、2. 九州大学、3. 日本学術振興会特別研究員)

キーワード:トライポフォビア、情動、意識

円形物体の集合は名状しがたい不快感を喚起する (トライポフォビア)。トライポフォビアには,対象の中域の空間周波数情報だけではなく,低域の空間周波数情報も寄与していると言われている。低域の空間周波数情報は即時に扁桃体へ送られることを考慮すると,円形集合体が閾下呈示された場合でもトライポフォビアは生じるのではないかと予測された。本研究では逆向マスキングを用いてこの可能性を検討した。実験では,円形集合体あるいは中性対象が10, 40, 80ミリ秒間出現した後にマスクが呈示された。参加者は,対象が不快あるいは中性であったかを判断した。その結果,いずれの呈示時間でも円形集合体は不快と判断された。一方で,感情判断を求めずに,単純検出課題を行った場合,円形集合体の検出感度は低いことが判明した。これらの知見は,トライポフォビアは無意識的に生じるが,この無意識的感情処理が円形集合体の検出に寄与しないことを示唆する。

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