第2回新型コロナウイルス研究集会

大会長挨拶

「第2回新型コロナウイルス研究集会」開催に向けての御挨拶







 

 2023年6月に、第1回日本新型コロナウイルス研究集会を新規に立ち上げ、東京・渋谷QWSにて開催し、約200名に参加いただく盛会となりました。

第1回研究集会は、研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan)」が中心となり、基礎ウイルス学に特化した研究集会として開催いたしました。今回の第2回研究集会は、基礎ウイルス学に留まらず、新型コロナウイルスに関する基礎免疫学、臨床医学、疫学も対象とし、「新型コロナウイルスに関するすべての科学」を対象とした研究集会として開催を予定しています。

研究集会を拡大するにあたり、第2回研究集会では、新型コロナの基礎ウイルス学は昨年と変わらず、研究コンソーシアムG2P-Japanが担当します。それに加え、基礎免疫学は高橋宜聖先生(国立感染症研究所 治療薬・ワクチン開発研究センター)に、臨床医学は忽那賢志先生(大阪大学)に、そして、疫学は押谷仁先生(東北大学)にご担当いただきます。高名なこれらの先生方にプログラム委員としてご参画いただくことで、研究集会の対象領域の拡大と研究分野の底上げを図っております。

「新型コロナパンデミックは終わった」と囁かれています。しかし、本当にそうでしょうか? そして、ここで留意すべきは、今回の新型コロナパンデミックが、コロナウイルスによる初めての感染症有事ではなかった、ということです。

21世紀に入り、SARS, MERSという国際的な感染症有事が2度も起きていたにも関わらず、これらの事態が、研究体制の整備に資さなかった、という事実には目を向けるべきであり、今後の教訓とすべきものです。これだけの惨事をもたらしたにもかかわらず、過去と同じ轍を踏み、今回のパンデミックの教訓が、次の「パンデミックへの備え」に活かされないことはきわめて憂慮すべきであり、また、きわめて懸念される事態であると言えます。

「パンデミックとたたかう」ために奮闘した経験と、そこで芽吹いたものを無駄にしないためにも、今年の第2回研究集会は、「新型コロナ」をキーワードとする、より広範で頑健な研究集会に発展させていきたいと考えています。

 

令和6年1月吉日  
第2回新型コロナウイルス研究集会
大会長 佐藤 佳
(東京大学医科学研究所 教授、
研究コンソーシアムG2P-Japan 発起人、
一般社団法人G2P-Japan 代表理事)