第16回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム

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チュートリアル

[TU-A-2] 統計的形状分析による経済データ分析

2024年3月4日(月) 13:10 〜 14:40 大会議室:409 (アクリエひめじ 4F)

13:10 〜 14:40

[TU-A-2] 統計的形状分析による経済データ分析

白田由香利(学習院大学)

対象:データサイエンティスト、リーマン距離の応用に興味のあるかた

データ散布図をひとつの形状(shape, formation)とみなすことで,データ集合の時系列変化は形状のフォーメーション変化(deformation)として表現可能となる.この変化は非線形であり,従来定量的計測が困難であったが,統計的形状分析により,主成分ごとに変化を測定可能となった.統計的形状分析は,生物学的進化(骨格の変化など)の計測手段としてMardia達がセオリーを開発した.しかし我々のチームでは経済経営データに対して適応してきた.例えば,国のGDP成長率と貧困レベルの散布図の時系列変化分析などである.本講義では,経済データによる応用を説明した後,数学的セオリーを説明する.形状は,センタリングおよびスケーリングを行い,preshapeに変換する.Preshapeの形状空間はリーマン多様体としてみなすことができ,形状間の距離はリーマン距離として定義できる.セオリーの2つ目のポイントは,薄型平板スプラインによる補間である.2次元形状の点集合間に,仮想的に透明な板があるとみなし,その板を3次元空間でどのように曲げると与えられた2次元形状点集合ができるかを,ベンディング・エネルギー最小化問題として解く.データの点の数だけ,基底関数を並べ,その関数の和として形状変換モデルを構築する.時系列データ分析手法として非常に役立つ統計的形状分析の応用と数学理論を,楽しいグラフィクスで分かり易く説明する.殆どのかたが,見たことのない新しい理論と手法だと思うので,是非,この機会に覚えて使ってください.

教材サイト:Yukari SHIROTA, Riri Fitri Sari, Tetri Widiyani, and Takako Hashimoto: "" Visually Do Statistical Shape Analysis!,"" Visual Math Lecture Note Series, the tutorial lecture in Data Science and Advanced Analytics (DSAA) Tokyo, Japan: IEEE, 21st Oct. 2017. https://www-cc.gakushuin.ac.jp/~20010570/mathABC/SELECTED/ShapeAnalysis/