The 56th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PD

(5階ラウンジ)

Sat. Nov 8, 2014 10:00 AM - 12:00 PM 5階ラウンジ (5階)

[PD030] 教育相談定着化に向けた担当者のミドルリーダーシップに関する検討

西山久子1, 迫田裕子2, 鎌田雅史3 (1.福岡教育大学, 2.東亜大学, 3.就実短期大学)

Keywords:教育相談の定着化, ミドルリーダーシップ

問題と目的
学校での児童生徒への適切な支援には,校長の関わりが大きな影響を及ぼすといわれる一方,教育相談体制が整っていない場合,安定した児童生徒への支援が行われにくいという課題が指摘されてきた(西山,2012)。それに加え体制を構築することへの担当者の貢献の可能性を示す結果も研究成果から見ることができる(西山・淵上・迫田,2009)換言すると,適切な教育相談体制を組織化し定着させるには,管理職のリーダーシップと共に,担当者が,その下でどう活動しているかという「中堅層」の役割の重要性にも着目する必要があると言え,成果を包括的に捉えるには重要な視点である。
この中堅層は,管理職にとってはフォロワーであるとともに,中堅をまとめるリーダーでもあるというユニークな立場であり,その役割は,担う専門領域をふまえた役割像とされることが多い。学校適応援助を含む教育相談定着化における,担当者のミドルリーダーシップのあり方を検討することは,管理職によるリーダーシップとのかかわりを検討するためにも必要であると考えた。
よって本研究では,管理職との相互関連性の検討に活用するため,教育相談担当者など学校適応援助を担う者(School Counselor・生徒指導・特別支援教育コーディネーター等)が取るリーダーシップ行動に関する表記を分類し特性を整理する。

方法
まずSchool Counseling,School Psychology及びHuman Serviceに関する内外の関連領域を専門とする者向けのリーダーシップ行動を示したテキストブック及び役割に関する8件の文献から,該当すると考えられる行動を類別した(1次分類)。
次に,管理職以外のスタッフが行う学校における教育相談の定着化のための役割と考えられる活動に関する研究及び論考(32編)を対象に,その専門性に関する記述を抽出し,KJ法を手法として援用し,分類を行った。その整理過程に関しては,School Counselingを専門とする第1筆者が,全体的な整理を行った。そのうえで,教育社会心理学および教育心理学を専門とする者3名で,検討を行った(2次分類)。
1次分類においては,9種類の当該領域におけるリーダーシップ行動とみなされる行動が示された。2次分類においては,表1のような分類(のべ件数)となった。しかし本研究では,対象とした2次分析の対象の資料数が限られ,検討した研究を国内外合わせて分析したことから,管理職との関わりを検討する際に,文化や学校組織構造の差異が成果に反映されにくい。今後に向けては資料数を加え,検討の内容を精緻化することが必要である。
付記:本研究は,「科研(基盤C)課題番号24530827教育相談定着化に向けた担当者の影響方略と校長のリーダーシップに関する心理学的研究」の補助を受けました。研究分担者・調査協力者の皆様に深謝します。