[PG094] 母親の養育態度に関する研究6
大学生の被養育経験における父親と母親の関わりの比較
Keywords:養育態度, 父親, 母親
目的
これまで,大学生とその母親・祖母に被養育経験と自身の養育行動について調査を行ってきた。その結果,各世代で被養育経験の特徴に違いがあること,また,母親・祖母の被養育経験と自身の養育経験に関する意識に違いのあることが明らかになった。本研究では,養育者として対象を父親にも拡げ,大学生の父親と母親に対する被養育経験について調査を行い,父親と母親の養育態度の相違について,比較検討する。
方法
調査対象者:私立(97名)・公立(131名)の2つの大学の学生228名(男子72名,女子156名)
調査時期:2013年4月と6月
調査内容:フェイスシートの記入の後,
1.両親のしつけについての5項目について4段階
評定で回答を求めた(表1)。
2.父親・母親のそれぞれの養育態度について大学生が児童期の頃経験した親の養育態度についての尺度(2011,田中・三浦)158項目のうち24項目(表2)について(当てはまる・よくされていた~全然当てはまらない・全然されていない)の5段階評定で求めた。
結果
1. 両親のしつけについての分析
①両親のしつけに関する1)~5)の5項目について平均値と標準偏差の結果を求めた (表1) 。
両親のしつけに関して各項目において最も多かったのは1)「②どちらかといえば母親」(49.3%),2)「②かなり協力的」(55.3%),3)「③あまり違わない」(40.4%),4)「②相談しつつ主に母親」(55.7%),5)「②かなり関心があった」(43.4%)であった。
②因子分析を最尤法・Kaiser の正規化を伴うプロマックス法で実施した。第1因子{父母の協力}と{母親への依存}の2因子が抽出された。
2.父親と母親の養育態度についての比較
①父親と母親の養育態度質問項目24項目と父親・母親を合わせた平均値と標準偏差を下記に示す(表2)。
②それぞれを因子分析の対象とし,最尤法・Kaiserの正規化を伴うプロマックス法で因子分析を実施した結果,父親は第1因子{関心},母親は第1因子{受容的関わり}第2因子{責任}が抽出された。
考察
しつけにおいて父親と母親は協力し合い,価値観もかなり一致して行っている傾向がみられたが,どちらかといえば母親が主になり行っており,父親と母親ではしつけの性質に違いがあることが想定できる結果であった。結果に男女の差はみられなかった。
これまで,大学生とその母親・祖母に被養育経験と自身の養育行動について調査を行ってきた。その結果,各世代で被養育経験の特徴に違いがあること,また,母親・祖母の被養育経験と自身の養育経験に関する意識に違いのあることが明らかになった。本研究では,養育者として対象を父親にも拡げ,大学生の父親と母親に対する被養育経験について調査を行い,父親と母親の養育態度の相違について,比較検討する。
方法
調査対象者:私立(97名)・公立(131名)の2つの大学の学生228名(男子72名,女子156名)
調査時期:2013年4月と6月
調査内容:フェイスシートの記入の後,
1.両親のしつけについての5項目について4段階
評定で回答を求めた(表1)。
2.父親・母親のそれぞれの養育態度について大学生が児童期の頃経験した親の養育態度についての尺度(2011,田中・三浦)158項目のうち24項目(表2)について(当てはまる・よくされていた~全然当てはまらない・全然されていない)の5段階評定で求めた。
結果
1. 両親のしつけについての分析
①両親のしつけに関する1)~5)の5項目について平均値と標準偏差の結果を求めた (表1) 。
両親のしつけに関して各項目において最も多かったのは1)「②どちらかといえば母親」(49.3%),2)「②かなり協力的」(55.3%),3)「③あまり違わない」(40.4%),4)「②相談しつつ主に母親」(55.7%),5)「②かなり関心があった」(43.4%)であった。
②因子分析を最尤法・Kaiser の正規化を伴うプロマックス法で実施した。第1因子{父母の協力}と{母親への依存}の2因子が抽出された。
2.父親と母親の養育態度についての比較
①父親と母親の養育態度質問項目24項目と父親・母親を合わせた平均値と標準偏差を下記に示す(表2)。
②それぞれを因子分析の対象とし,最尤法・Kaiserの正規化を伴うプロマックス法で因子分析を実施した結果,父親は第1因子{関心},母親は第1因子{受容的関わり}第2因子{責任}が抽出された。
考察
しつけにおいて父親と母親は協力し合い,価値観もかなり一致して行っている傾向がみられたが,どちらかといえば母親が主になり行っており,父親と母親ではしつけの性質に違いがあることが想定できる結果であった。結果に男女の差はみられなかった。