The 57th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表

ポスター発表 PA

Wed. Aug 26, 2015 10:00 AM - 12:00 PM メインホールA (2階)

[PA006] 不登校を激減させた方法(4)

自己効力感教育法を利用したカウンセリングとコーディネートの実証

工藤弘 (安曇野市立三郷小学校)

Keywords:不登校, コーディネーター, 自己効力感

はじめに
工藤・小林(2010),工藤(2014)では,小中学校での不登校を激減させる方法が実証された(図1M小,A中の不登校数)。工藤(2015a)では,その背景にある自己効力感を使った生徒指導法が発表された(本論文では「自己効力感教育法」と名付ける)。
これらの先行研究では,自己効力感教育法による①相談室・SC体制 ②タッチ登校を利用したスモールステップ ③ルールのある学級学校集団作り ④同一コーディネート ⑤複数支援体制 が有効であることが示された。本論文では,その中のコーディネートについて焦点化し,検証を行う。
目的と仮説
不登校を激減の方法は実証された。その中の自己効力感教育法(目標へのスモールステップを設定し,自己効力感を向上させる方法)によるコーディネートが,不登校激減に有効性が実証されれば,小中学校における不登校を激減させるためのカウンセリング及びコーディネート方法が明らかになるはずだ。
方法
対象 2012-2014年度長野県M小学校(全校1100名 県内最大)でのコーディネート事例64件について,コーディネート1ヶ月前,1ヶ月後,2ヶ月前,2ヶ月後について,①登校しぶりパニックから相談室へ②相談室からクラスへ③登校しぶりからクラスへ,の3つのコーディネート目標の3群に分け,欠席日数が減ったかどうかについて検討する。
結果 2要因混合分散分析の結果,交互作用は有意であった(F=(3,02), p <.01)。そこで単純主効果分析を行った結果,図2のように,2群の1か月前後を除き,どのグループにおいても,コーディネート前後で欠席日数は有意に減少した(MSe= 4.0020, p <.05,MSe=4.0020, p <.05,MSe=4.0020, p <.05)。
考察
以上の結果から,自己効力感教育法を利用したコーディネートは有効であることが実証された。より深刻な2群の相談室からクラスへと導くのは,どの学校でも非常に困難な課題である。しかし,この方法では,これについてもわずか2か月後には効果がでることが実証された。
3年間で「自己効力感指導法」に基づくカウンセリングとコーディネートを実施した。スモールステップ設定の成功体験,代理経験,できたことを認知させ,自信を向上させ実感することで,不登校は解決した。
引用文献
工藤弘・小林武 2010.不登校を激減させた方法~尺度の作成と小学校と中学校の連携による中一ギャップの予防(その1).第52回日本教育心理学会論文集,p532
工藤弘 2014.不登校を激減させた方法~中学校での激減と,小学校での激減の方法の共通性から.第56回日本教育心理学会論文集55,p854
工藤弘 2015a. 不登校を激減した方法⑶~~中学校と,小学校での方法の共通性~,日本学校カウンセリング学会第30回大会,アスト津
謝辞
本研究にご協力頂いた学校関係者・研究所等の皆様,心より感謝申し上げます。