The 57th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表

ポスター発表 PC

Wed. Aug 26, 2015 4:00 PM - 6:00 PM メインホールA (2階)

[PC026] 子どもの学ぶ資質と発達(1)

非認知能力の育成をねらいにした幼児の活動指導案の分析

益谷真 (敬和学園大学)

Keywords:学ぶ資質, 非認知能力, 活動指導案

幼児期には就学準備として学ぶための基礎になる資質の発達を支援していくことが求められる。その中心は認知能力ではあるが,近年は社会人基礎力に繋がる非認知能力の重要性も指摘されている(Heckman, 2013)。これ迄にも知能検査で測れなくても実生活や社会で必要になる社会的・実践的な知能が理論化されている(Sternberg, 1998)。さらに情動知能や感情コンピテンスといった資質についても,社会的スキルとして習得可能な学ぶための基礎的な能力として検討されてきた。
本研究では,キャラクターの強み(個性)とされる以下の7つの行動特性(タフ, 2012)を教育可能な資質と考え,保育で活動指導のねらいにした際にどのように扱われるかを検討する。7つの特性は,根気,自制心,知的好奇心,意欲,誠実さ,レジリエンス,楽観さである。これらに加えてレパートリーを探索的に広げ,ヘックマンらが想定した社会性の基盤である責任感,規律,協調性,独立心,発想力,自信,感謝する心についても併せて検討した。
方 法
対象者 保育実習の経験のある保育専門学校2年生40名に活動指導案を各自3つまで作成させた。要件を満たさない指導案は分析から除外した。
手続き 14項目の中から活動のねらいを複数選択させ,対象年齢,所用時間,用具・スペース,指導手順を指定用紙に記述させた。各ねらいの概念については既に授業を受けて学習していた。指導案作成の練習として「鬼ごっこ」のバリエイションを指定用紙に記述して手続きを確認させた。

結果と考察
活動のねらいに用いられた行動特性は以下に示す頻度であった。活動のアイデアが多様になっても,設定されるねらいには偏りが生じることが明らかになった。将来,保育に携わる学生には,用いられにくい行動特性に関する具体的な指導実践例の紹介が必要である。根気,レジリエンス,楽観さ,独立心は直感的に解釈するだけでなくメカニズムの理解を深めることも望まれる。