The 57th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表

ポスター発表 PD

Thu. Aug 27, 2015 10:00 AM - 12:00 PM メインホールA (2階)

[PD049] 教育相談定着化に向けた担当者の影響方略と校長のリーダーシップとの関連性Ⅲ

西山久子1, 迫田裕子2, 鎌田雅史3 (1.福岡教育大学, 2.東亜大学, 3.就実短期大学)

Keywords:教育相談定着化, 影響方略, 校長のリーダーシップ

【問 題】
西山(2010)は,学校の教育相談を経年的に人的資源に依存せず安定して実施していくために,学校システムに教育相談を定着化させる必要性を指摘している。本研究では,担当者が校長とどのように相互交流しながら学校システムの中に教育相談を安定化させていくかについて検討を行う。
研究Ⅰ 担当者が,校長に向けて実施する影響方略の構造を検討する
研究Ⅱ 担当者による影響方略と,校長の影響方略認知との関連について検討する。
研究Ⅲ 担当者による影響方略と,校長のリーダーシップが,教育相談の定着化に及ぼす影響について検討する。
【方 法】
質問紙調査の実施
調査対象者 2014年10月,中学校教員に調査を実施し,151校の校長/担当者298名(校長151名,担当者147名)から回答を得た。
調査項目 ①性別,校種,勤務校の規模,教職歴,教育相談担当歴,過去に経験した分掌等のフェイスシート項目,②勤務校の教育相談活動の定着化,③一般的な担当者にもとめられる役割認識,④学校の風土,⑤担当者の力量に関わる評価(自己評価/校長からの評価),⑥校長の協働体制づくりに関するリーダーシップ(担当者からの評価/校長による自己評価),⑦回答者の影響方略に対する校長の対応(担当者からの評価/校長による自己評価),⑧回答者が教育相談に関わる領域で使用する影響方略(自己評価/校長からの評価)に関して5件法により回答を求めた。
【分析・結果】
影響方略と,校長のリーダーシップが,教育相談の定着化に及ぼす影響 校長の影響方略認知が,担当者および教育相談に対する印象評価を媒介し教育相談定着化に及ぼす効果を検討するため,影響方略認知,役割認識,力量評価,協働促進のリーダーシップ,協働的風土,同調的風土を説明変数,教育相談の定着化を目的変数とした階層的なロバスト回帰分析を行った。(Table 1)。Step 1では,Rationalityの係数は(β=.25, p<.10)であったが,力量評価,教育相談の役割認知を投入したStep2においては有意では無くなった(β=.10, p=.49(n.s.))。また,協働促進のリーダーシップ(Step 3),協働的風土得点(Step 4)を投入した場合,R2は有意に増加し,役割認識,力量評価,協働促進のリーダーシップの係数が小さくなる傾向が認められ,それぞれの媒介可能性が示唆された。
媒介分析 HAD(ver 13)(清水・村山・大坊,2006)を用い,Rationalityが役割認識・力量評価を媒介して協働促進のリーダーシップを促す効果について媒介分析を行った。その結果,部分媒介効果が確認された。
本研究は,JSPS科研費(24530827)の助成を受けたものである。