The 57th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表

ポスター発表 PE

Thu. Aug 27, 2015 1:30 PM - 3:30 PM メインホールA (2階)

[PE049] 中国における生徒のいじめへの介入を促進する要因

教師と生徒の人間関係の親密度の観点から

元笑予 (東京学芸大学大学院)

Keywords:いじめ介入, 教師と生徒の親密度, 促進要因

問題と目的
中国延辺地区は中国の東北三省の中での吉林省にあり,朝鮮族が37%,漢民族が60%を占めている(日本貿易振興機構大連事務所,2012)。延吉市は自治州にあるが,教育内容は国の基準に沿っており,朝鮮族独自の教育を行うわけではない。天津市は中国の直轄市で,漢民族を主にして,教育が優れている。
本研究では,生徒と教師の日常的関わりと人間関係のあり方が,生徒のいじめ介入の仕方とどのように関連するか検討することを目的にする。中学生に,小学校・中学校時代の先生との会話を振り返ってもらい,嬉しかったこと,辛かったこと等の経験を聞き,生徒の教師との関係が,彼らのいじめ介入の仕方に関わりがあったか否かを明らかにする。
方 法
調査期日 調査は2014年3月,9月に実施した。
調査対象
中国延辺自治区朝鮮族中学校の3年生102名(男子34名,女子68名)で,平均年齢16.42歳であった。中国天津市重点中学校の1年生101名(男子53名,女子48名)で,平均年齢12.48歳であった。
質問紙の作成
本調査では,学校生活の中での教師との会話の量と生徒のいじめ介入に関わる項目を作成し,質問紙にまとめた。調査内容は,主に二つの質問(教師との接触及び賞賛・いじめによる相談回数)部分から構成された。
結 果
1.中国延辺自治区朝鮮族中学校
中学生全体の先生との接触頻度の大小が中学の時の先生に相談した頻度とどのように関係しているかを吟味するために,性別,接触頻度を独立変数にし,学校別接触頻度を従属変数にして,分散分析を行った。その結果,中学校全体の「話す頻度×学校」の交互作用が有意であった(F(1, 90)=4.34, p<0.05)(Figure 1)。
2.中国天津市重点中学校
分散分析の結果,中学校全体の「話す頻度×学校」の交互作用が有意であった(F(1, 90)=4.34, p<0.05)(Figure 2)。
考 察
朝鮮族の生徒は,自分のことを優先的に大事と考えるが,友人などの他人のことには積極的には関わらない傾向を示唆するものかもしれない。