[PA75] 中学生の登校回避感情を規定する要因の検討
一般中学生と不登校中学生を対象に
Keywords:不登校, 登校回避感情, ストレッサー
問題と目的
不登校中学生と登校している中学生の双方について,登校回避感情を規定する要因を特定すること,そしてその影響の強さについて検討する。
研 究 1
公立中学校に登校している中学生の登校回避感情を規定する要因を重回帰分析で検討する。促進要因として学校ストレッサー,抑制要因として居場所感,充実感,ソーシャルサポート,レジリエンスを想定する。
方法
対象者は青森県公立X中学校に通う1~3年生352名(男子169名,女子183名)。2015年7月に質問紙調査を行った。調査項目は登校回避感情の尺度(渡辺・小石,2000)17項目5件法。中学生用学校ストレッサー尺度(岡安ら,1992)22項目4件法。中学生・学校生活充実感尺度(中村ら,2005)17項目5件法。居場所感尺度(石本,2010)13項目5件法。中学生用ソーシャルサポート尺度(久田ら,1989)中学生用レジリエンス尺度(石毛・無藤,2005)レジリエンス要因尺度(平野,2010)。
結果
因子分析の結果,登校回避感情は,「学校生活への嫌悪感」「授業への拒否感」「教師への不信感」「友人関係での孤立感」に分かれた。これらをそれぞれ,従属変数として,さらにストレッサー,充実感,居場所感の下位尺度を独立変数として重回帰分析を行った結果が表1と表2である。男子の教師への不信感に対する友人ストレッサー,女子の友人での孤立感に対する勉強での充実感など,友人関係をめぐって予想と逆の結果がみられた。
研 究 2
公立中学校のデータを母集団と仮定した場合の不登校中学生のデータの位置づけを検討する。
方法
対象者は青森県内X適応指導教室とY適応指導教室へ通所している不登校中学生1~3年生19名(男子7名,女子12名)。2015年7月~11月に質問紙調査を行った。調査項目は研究1の項目に準じる。
結果
不登校中学生の得点を標準得点で検討した結果が表3である。予想に反し,登校回避感情やレジリエンス要因(最も下の3因子)はさほど高くない。一方で,ストレッサーの得点が突出して高い。
考 察
登校回避感情を全体的な「学校生活への嫌悪感」だけではなく,授業・教師・友人の各側面から多面的に検討することの方が有益と考えられる。
また,不登校中学生の脆弱性についてストレスの感受性の面から検討することの重要性が,改めて示唆された。
不登校中学生と登校している中学生の双方について,登校回避感情を規定する要因を特定すること,そしてその影響の強さについて検討する。
研 究 1
公立中学校に登校している中学生の登校回避感情を規定する要因を重回帰分析で検討する。促進要因として学校ストレッサー,抑制要因として居場所感,充実感,ソーシャルサポート,レジリエンスを想定する。
方法
対象者は青森県公立X中学校に通う1~3年生352名(男子169名,女子183名)。2015年7月に質問紙調査を行った。調査項目は登校回避感情の尺度(渡辺・小石,2000)17項目5件法。中学生用学校ストレッサー尺度(岡安ら,1992)22項目4件法。中学生・学校生活充実感尺度(中村ら,2005)17項目5件法。居場所感尺度(石本,2010)13項目5件法。中学生用ソーシャルサポート尺度(久田ら,1989)中学生用レジリエンス尺度(石毛・無藤,2005)レジリエンス要因尺度(平野,2010)。
結果
因子分析の結果,登校回避感情は,「学校生活への嫌悪感」「授業への拒否感」「教師への不信感」「友人関係での孤立感」に分かれた。これらをそれぞれ,従属変数として,さらにストレッサー,充実感,居場所感の下位尺度を独立変数として重回帰分析を行った結果が表1と表2である。男子の教師への不信感に対する友人ストレッサー,女子の友人での孤立感に対する勉強での充実感など,友人関係をめぐって予想と逆の結果がみられた。
研 究 2
公立中学校のデータを母集団と仮定した場合の不登校中学生のデータの位置づけを検討する。
方法
対象者は青森県内X適応指導教室とY適応指導教室へ通所している不登校中学生1~3年生19名(男子7名,女子12名)。2015年7月~11月に質問紙調査を行った。調査項目は研究1の項目に準じる。
結果
不登校中学生の得点を標準得点で検討した結果が表3である。予想に反し,登校回避感情やレジリエンス要因(最も下の3因子)はさほど高くない。一方で,ストレッサーの得点が突出して高い。
考 察
登校回避感情を全体的な「学校生活への嫌悪感」だけではなく,授業・教師・友人の各側面から多面的に検討することの方が有益と考えられる。
また,不登校中学生の脆弱性についてストレスの感受性の面から検討することの重要性が,改めて示唆された。