The 58th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PC(01-64)

ポスター発表 PC(01-64)

Sat. Oct 8, 2016 3:30 PM - 5:30 PM 展示場 (1階展示場)

[PC28] 母性看護学実習に対する動機づけと実習への取り組み方との関係

野田貴代1, 出口睦雄2 (1.愛知きわみ看護短期大学, 2.愛知きわみ看護短期大学)

Keywords:母性看護学実習, 動機づけ, 看護学生

問題と目的
 学習に取り組むためには,動機づけが重要であるとされているにもかかわらず,母性看護学実習に対する動機づけの研究はみあたらない。そこで本研究では,看護学生の母性看護学実習に対する動機づけを示すとともに,動機づけと実習への取り組み方の関係を明らかにすることを目的とした。
方   法
 A看護短期大学3年生65人に対し,質問紙調査を実施した。
 母性看護学実習に対する動機づけは,「母性看護学実習を行った理由」25項目に5段階で回答を求めた。実習への取り組み方は,「技術の実施」「見学か実施か」「積極性」「カンファレンス・反省会」「グループ活動」「学生の立場」「臨床指導者との関係」「教員との関係」について,「積極的,肯定的に捉えているか」「消極的,否定的に捉えているか」を二者択一で回答を求めた。
倫理的配慮
 調査の主旨,協力依頼等を文書で示した。調査票は無記名であり,個人の特定ができないようにした。なお,愛知きわみ看護短期大学研究倫理委員会において承認後,調査を実施した。
結果および考察
 回収数65人(回収率100%)であり,すべてが有効回答であった。
母性看護学実習の動機づけ
 「とても当てはまる」に回答した学生が最も多かったのは,「新生児と接するのが楽しいから34人(52.3%)」であり,次いで「実習は大切だと思うから32人(50.0%)」であった。
 因子分析(主因子法,バリマックス回転)を行った結果,「外発的動機づけ傾向因子」と「内発的動機づけ傾向因子」の2因子が抽出された(累積寄与率44.086%)。
母性看護学実習の取り組み方
 実習の取り組み方で,3分の2以上の学生が,積極的,肯定的に取り組んでいると回答した項目は,「カンファレンスや反省会で,意見がでないとき,何か言わなくてはと思う60人(92.3%)」「看護師や助産師ではなく,学生だからできる看護があるはずだと思う55人(85.9%)」「自信のない技術でも,できるようになりたいから実施したい50人(76.9%)」「実習は,直接,対象者(患者)に実施することが好きだ49人(75.4%)」であった。
母性看護学実習の動機づけと取り組み方の関係
 外発的動機づけ傾向因子と実習の取り組み方の関係は,「技術の実施」と「積極性」の2項目に有意差が認められた。2項目とも積極的な取り組みをしている者が外発的動機づけ傾向が低かった。
 内発的動機づけ傾向因子と実習の取り組み方の関係は,「技術の実施」「見学か実施か」「積極性」「カンファレンス・反省会」「グループ活動」「教員との関係」の6項目に有意差が認められた。6項目すべてにおいて積極的,肯定的に実習に取り組んでいる者が内発的動機づけ傾向が高かった。
 看護学生の内発的動機づけが高ければ,積極的,肯定的に実習に取り組むことになり,また積極的,肯定的に実習に取り組むことで内発的動機づけが高まるという関係を示すことができた。教員は,学生が積極的に実習に取り組めるよう実習内容の精選と実習方法の工夫を行うとともに,臨床指導者に学生の気持ちを伝え,理解を得る役割も担っていることが示唆された。
 本発表原稿は,愛知きわみ看護短期大学紀要第12巻に掲載予定の論文「学生の動機づけの違いが母性看護学実習に及ぼす影響(仮題)」を加筆修正したものである。