The 58th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PD(65-89)

ポスター発表 PD(65-89)

Sun. Oct 9, 2016 10:00 AM - 12:00 PM 市民ギャラリー (1階市民ギャラリー)

[PD86] 大学生サポーターの不登校生支援における初期の関係づくりについて

計量テキスト分析を用いて

吉崎聡子 (弘前大学)

Keywords:大学生, 適応指導教室, 計量テキスト分析

問題と目的
 A大学教育学部では実習の一つとして,毎年20名前後の大学3,4年生を,通年週半日B市適応指導教室(以下適応教室)へ通室生支援のために派遣している。派遣される学生(以下学生サポーター)は通室生との間に「斜めの関係(豊嶋,2004)」を構築しつつ通室生の学校復帰へ向けた支援を行うように随時指導を受けている。また,年間2回の事例研修会を実施している。この事例研修会では,事前にレジュメ作成を義務づけている。学生サポーターは,通室生との関わり方や工夫などを自由記述によって記入する。このレジュメをもとに,事例研修会では学生サポーターの支援方法について出席者全員で分かち合い,より望ましい支援について検討を行う。
 事例研修会において,学生サポーターは互いの支援方法の共通点を知るが,個別的なものであり,学生サポーターの支援方法の全体性を示すことはできていなかった。本研究では,学生サポーターの支援方法について,計量テキスト分析の手法を用いて,学生サポーターの支援方法の全体像を提示し,学生サポーターが取り得る支援方法を明示することを目的とする。なお,計量テキスト分析とは,「計量的分析方法を用いてテキスト型データを整理または分析し,内容分析を行う方法(樋口,2014 p15)」である。
方   法
 調査対象者:A大学教育学部3,4年生のべ48名。調査実施時期及び人数内訳:2014年7月(18名),2015年8月(17名),2016年2月(13名)。一部の調査対象者は複数回回答している。
 質問項目:年間2回の事例研修会において,事前に作成するレジュメの自由記述回答を分析対象とする。質問内容は,「通室生との関係づくりのためにやった工夫,うまくいかなかったときの対処について,自由に書いて下さい。特定の通室生を対象にしたものでも構いません。その際は通室生の名前も付記して下さい。」である。なお本研究における,通室生の名前は仮名とする。
 データ分析方法:KH Coder Ver.2.00fを使用した。KH Coder において語の抽出後,品詞別に確認し,複合語,固有名詞として扱うべき語は強制抽出を行った。これらの前処理の後,語の共起関係から学生サポーターの通室生との関係づくりを明示化した。
結果と考察
 学生サポーターの回答中頻出語上位5語は,通室生(93回),話かける(55回),話(51回),話す(49回),子ども(45回)であった。この他7回以上出現した50語について共起関係を図1に示す。特に子どもの話を聞くこと,子どもと話すことが関係づくりの方法であることや,通室生を観察し距離感をはかりながら関係づくりを図っている様子がわかる。また学生サポーター自身以外のリソースを活用していることも示された。