The 58th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PH(01-64)

ポスター発表 PH(01-64)

Mon. Oct 10, 2016 1:00 PM - 3:00 PM 展示場 (1階展示場)

[PH22] ゲーミフィケーションを適用した反転授業

松本多恵 (関東学院大学)

Keywords:ゲーミフィケーション, モチベーション, 反転授業

はじめに
 近年では,昨今の多くの大学でアクティブラーニング(active learning:教員から学生への一方通行的な講義形式の受動的な学修から,学生が主体的に学ぶ能動的な学修への転換を促す)が取り入れられている。アクティブラーニング型授業にはさまざまな技法がある。アクティブラーニング型授業の質を高める工夫として反転授業が注目されている。本研究は,ゲームが持っている人を引き付ける要素を他領域に活用する仕掛け,ゲーミフィケーションを反転授業に活用し,その効果を検証するものである。
反転授業
 反転授業とは,テクノロジーと実践的なアクティビティを今後させた授業形態であると定義している。今日では,ICTを用いた授業内の学習と授業外の学習を組み合わせる学習形態を広く指す。
 反転授業は,大学生・社会人だけでなく,中高生,小学生にも広がっている。タブレット端末やICT通信機器を利用したe-Learningを活用した反転授業が取り入れられているが,e-Learningは,自分のペースに合わせて効率的に学習することができるという大きな利点を有している。しかしながら,従来の教室での集合授業と比べ学習者へのインタラクティブ性が低いため,学習回数が進むにつれ,学習モチベーションの維持が難しくなり,学習離脱者(ドロップアウト率)が多くなる傾向にある。特に,学習することで得られる利益がわかりにくいため,外的動機付けを与える要因が乏しく,学習モチベーションの維持が困難である。そこで,著者は,反転学習に学習者のモチベーションを維持させるために,ゲーミフィケーションを取り入れた。
ゲーミフィケーションの教育利用
 ゲーミフィケーションは,ゲーム的思考やゲームメカニクスを使って問題を解決し,ゲームが持っている人を引き付ける要素をゲーム以外の領域に活用することゲーム自体の利用ではなく,ゲームの要素を利用することある。松本(2012),松本(2014)は,ゲーミフィケーションを取り入れたリメディアル教育をe-Learning学習を通して検証してきた。ゲーミフィケーションを取り入れたe-Learning学習によって自宅学習が身につき,自ら学習する姿勢が見受けられた。
既存のe-Learningシステム
 松本が調査したゲーミフィケーションを取り入れたe-Learningシステムは無料のものではなく,商業ベースのものである。多くの大学ではe-Learningシステムを導入しており,その種類は多岐にわたる。著者が調査した事例はあくまでの一事例であるため,汎用性が高いとは言い難い。多くの大学でアクティブラーニングが導入され,その一手法である反転授業に既存のシステムに反映することが難しい。しかし,反転授業のコンテンツ作成する際,著者が調査したゲーミフィケーションのどの要素が学習者に心理的に影響を与えるのかを検証することで,反転授業のコンテンツ作成時に反映することにより,学習効果を高め,学習意欲を多構える。
参考文献
松本多恵(2012).ゲーミフィケーションを活用 したeラーニング教育の可能性について,教育システム情報学会研究報告,27(3),35-40,(Matsumoto, T)
松本多恵(2014).ゲーミフィケーションを活用 しe-learningコンテンツの学習効果と動機付け,CIEC研究会報告集,Vo1.5,25-29,(Matsumoto, T)