15:30 〜 17:30
[PC48] 視点取得・共感性・マキャベリアニズムがボランティア参加に及ぼす影響
キーワード:共感性, 視点取得, ボランティア
目 的
本研究は,視点取得・共感性・マキャベリアニズムがボランティア参加に影響を及ぼすのかを,場面想定法を用いて検討する。
方 法
調査対象者 20代~50代の一般成人436名(男性230名,女性206名)を調査対象とした。調査は株式会社クロス・マーケティングが保有する登録モニターを対象とし,WEBを利用した調査を実施した。平均年齢は,44.65歳である。
質問紙 (1)提示場面の設定 小池(2015)の仮設住宅ボランティア場面・夏祭りボランティア場面を使用した。どちらか1場面を提示するように構成された。また,視点取得有群には「登場人物であるボランティア対象者がどのように感じるかを考えるように」,視点取得無群には「登場人物であるボランティア対象者がどう感じるかには注意を払わず,なるべく客観的に考えるように」教示した。
(2)質問項目 ①ボランティア参加意思:小池(2015)の項目を使用。ボランティア参加意思について回答を求めた。1項目。回答形式は,「当てはまらない」~「当てはまる」の5件法である。②ボランティア対象者のポジティブ感情に対する共感:小池(2015)の項目を使用。ボランティア対象者のポジティブ感情に対する共感を測定する項目である。5項目で測定し,回答形式は①と同じとした。③ボランティア経験:小池(2015)の項目を使用。ボランティア経験について回答を求めた。1項目で回答し,回答形式は,「ある」「ない」の2件法である。④ボランティア参加意思に関する自由記述:①の評定をした理由を尋ね,自由に回答を求めた。⑤愛他性:内田・北山(2001)の思いやり尺度を使用した。計22項目で,回答形式は,「全くあてはまらない」~「非常によくあてはまる」の5件法である。⑥マキャベリアニズム傾向: 古賀(2000)の改訂版マキャベリアニズム尺度の「対人操作性」因子,「非道徳性」因子,「反人道主義」因子を使用した。計25項目で,回答形式は,「全く思わない」~「非常に強く思う」の5件法である。
結 果
尺度構成 ボランティア対象者のポジティブ感情に対する共感5項目,愛他性22項目,及び改訂版マキャベリアニズム尺度の下位尺度項目の得点を合計して各得点とした。なお,反人道主義因子については信頼性が低かったため(α=.20),以降の分析の対象外とした。
視点取得・共感性・マキャベリアニズムがボランティア参加に及ぼす影響 視点取得・愛他性・マキャベリアニズムがポジティブ感情への共感に及ぼす影響を検討するために,男女別に重回帰分析を用いて検討した。その結果,男女とも愛他性が有意な正の影響がみられた(男性R2=.14, p<.001, β=.32, p<.001;女性R2=.13, p<.001, β=.33, p<.001)。視点取得・ポジティブ感情への共感・愛他性・マキャベリアニズムがボランティア参加に及ぼす影響を検討するために,男女別に重回帰分析を用いて検討した。その結果,男性はポジティブ感情への共感が有意な正の影響,非道徳性が有意な負の影響を与えていた(R2=.26, p<.001, ポジティブ感情への共感 β=.43, p<.001;非道徳性 β=-.14, p<.05)。女性はポジティブ感情への共感・愛他性が有意な正の影響を与えていた(R2=.39, p<.001, ポジティブ感情への共感β=.57, p<.001;愛他性 β=.15, p<.05)。
本研究は,視点取得・共感性・マキャベリアニズムがボランティア参加に影響を及ぼすのかを,場面想定法を用いて検討する。
方 法
調査対象者 20代~50代の一般成人436名(男性230名,女性206名)を調査対象とした。調査は株式会社クロス・マーケティングが保有する登録モニターを対象とし,WEBを利用した調査を実施した。平均年齢は,44.65歳である。
質問紙 (1)提示場面の設定 小池(2015)の仮設住宅ボランティア場面・夏祭りボランティア場面を使用した。どちらか1場面を提示するように構成された。また,視点取得有群には「登場人物であるボランティア対象者がどのように感じるかを考えるように」,視点取得無群には「登場人物であるボランティア対象者がどう感じるかには注意を払わず,なるべく客観的に考えるように」教示した。
(2)質問項目 ①ボランティア参加意思:小池(2015)の項目を使用。ボランティア参加意思について回答を求めた。1項目。回答形式は,「当てはまらない」~「当てはまる」の5件法である。②ボランティア対象者のポジティブ感情に対する共感:小池(2015)の項目を使用。ボランティア対象者のポジティブ感情に対する共感を測定する項目である。5項目で測定し,回答形式は①と同じとした。③ボランティア経験:小池(2015)の項目を使用。ボランティア経験について回答を求めた。1項目で回答し,回答形式は,「ある」「ない」の2件法である。④ボランティア参加意思に関する自由記述:①の評定をした理由を尋ね,自由に回答を求めた。⑤愛他性:内田・北山(2001)の思いやり尺度を使用した。計22項目で,回答形式は,「全くあてはまらない」~「非常によくあてはまる」の5件法である。⑥マキャベリアニズム傾向: 古賀(2000)の改訂版マキャベリアニズム尺度の「対人操作性」因子,「非道徳性」因子,「反人道主義」因子を使用した。計25項目で,回答形式は,「全く思わない」~「非常に強く思う」の5件法である。
結 果
尺度構成 ボランティア対象者のポジティブ感情に対する共感5項目,愛他性22項目,及び改訂版マキャベリアニズム尺度の下位尺度項目の得点を合計して各得点とした。なお,反人道主義因子については信頼性が低かったため(α=.20),以降の分析の対象外とした。
視点取得・共感性・マキャベリアニズムがボランティア参加に及ぼす影響 視点取得・愛他性・マキャベリアニズムがポジティブ感情への共感に及ぼす影響を検討するために,男女別に重回帰分析を用いて検討した。その結果,男女とも愛他性が有意な正の影響がみられた(男性R2=.14, p<.001, β=.32, p<.001;女性R2=.13, p<.001, β=.33, p<.001)。視点取得・ポジティブ感情への共感・愛他性・マキャベリアニズムがボランティア参加に及ぼす影響を検討するために,男女別に重回帰分析を用いて検討した。その結果,男性はポジティブ感情への共感が有意な正の影響,非道徳性が有意な負の影響を与えていた(R2=.26, p<.001, ポジティブ感情への共感 β=.43, p<.001;非道徳性 β=-.14, p<.05)。女性はポジティブ感情への共感・愛他性が有意な正の影響を与えていた(R2=.39, p<.001, ポジティブ感情への共感β=.57, p<.001;愛他性 β=.15, p<.05)。