16:00 〜 18:00
[PF54] 中学生の居場所と生活感情の関連
対人関係における居場所感
キーワード:居場所感, 対人関係, 生活感情
問題と目的
居場所は他者との関係によって築かれるといった見解が多く見られる。対人関係における居場所感の有無はどのような生活感情と関わりが深いのかということに接近することで,対人関係における居場所感の構成要素に迫ることができると考えられる。本研究では,中学生の居場所環境及び対人関係における居場所感の有無と生活感情の関連について検討することを目的とする。
方 法
分析対象者 4校の中学生528名(男子267名,女子261名)平均年齢13.27歳(SD=.75)
調査時期 2013年12月~2014年1月
調査内容(1)属性(年齢,性別,学年)
(2)居場所感環境8項目(杉本・庄司,2006)
最もいたいと思うものについて。
(3)対人関係における居場所感の有無
対人関係における主観的な居場所感を検討するため,普段の対人関係における居場所感の有無。
(4)青年の生活感情(落合,1985)
青年の代表的な生活感情21項目に1項目を加えた各生活感情の有無。
結 果
居場所環境と対人関係における居場所感の有無について集計を行ない,カイ二乗検定を行った。居場所の機能の種類と対人関係における居場所感の有無について有意な差が見られた(Χ2(7)=49.5,p<.001)。居場所の機能を「ない」,「自分ひとり」,「家族」,「自分ひとりと家族」を選択している者は,対人関係において居場所感が無と回答している者の方が有意に多く,居場所の機能を「友達」,「自分ひとりと友達」,「家族と友達」,「自分ひとりと家族と友達」との居場所を選択している者は,対人関係における居場所感が有と回答している者の方が有意に多い。
生活感情の構造 生活感情の構造を分析するため,生活感情とした22項目それぞれについて感じるか否かの2カテゴリー計44カテゴリーを,数量化理論第Ⅲ類で解析した結果,充実感や幸福感といった生活が充足している生活感情の対極に,孤独感や疎外感が存在することが示唆された。
対人関係における居場所感と生活感情 対人関係における居場所感の有無と各生活感情の差を検討するため,カイ二乗を行った。その結果,充実感,幸福感,期待感,よろこび,(Χ2(1)=24.65,23.3,18.45,11.79,p<.001),感動(Χ2(1)=7.35,p<.01),解放感(Χ2(1)=4.23,p<.05)が対人関係における居場所感が有とする者の方が有意に高く,孤独感,疎外感,自己嫌悪においては,対人関係における居場所感が無とする者の方が有意に高かった(Χ2(1)=3.8,4.4,3.68,p<.05)。
生活感情と居場所機能 生活感情について探索的クラスター分析を行った結果「疲労・面倒」「孤独・疎外」「幸福・充実」の3クラスターが抽出された。各クラスターと居場所機能の関連について残差分析を行った。
考 察
居場所環境と主観的な普段の対人関係における居場所感の有無には相違がある。対人関係における居場所感を得られている者は,充実感や幸福感を持っている。最もいたいと思う居場所として自分ひとりを選ぶ者は,孤独感や疎外感を持ち,対人関係における居場所感が無をする傾向が示唆された。
居場所は他者との関係によって築かれるといった見解が多く見られる。対人関係における居場所感の有無はどのような生活感情と関わりが深いのかということに接近することで,対人関係における居場所感の構成要素に迫ることができると考えられる。本研究では,中学生の居場所環境及び対人関係における居場所感の有無と生活感情の関連について検討することを目的とする。
方 法
分析対象者 4校の中学生528名(男子267名,女子261名)平均年齢13.27歳(SD=.75)
調査時期 2013年12月~2014年1月
調査内容(1)属性(年齢,性別,学年)
(2)居場所感環境8項目(杉本・庄司,2006)
最もいたいと思うものについて。
(3)対人関係における居場所感の有無
対人関係における主観的な居場所感を検討するため,普段の対人関係における居場所感の有無。
(4)青年の生活感情(落合,1985)
青年の代表的な生活感情21項目に1項目を加えた各生活感情の有無。
結 果
居場所環境と対人関係における居場所感の有無について集計を行ない,カイ二乗検定を行った。居場所の機能の種類と対人関係における居場所感の有無について有意な差が見られた(Χ2(7)=49.5,p<.001)。居場所の機能を「ない」,「自分ひとり」,「家族」,「自分ひとりと家族」を選択している者は,対人関係において居場所感が無と回答している者の方が有意に多く,居場所の機能を「友達」,「自分ひとりと友達」,「家族と友達」,「自分ひとりと家族と友達」との居場所を選択している者は,対人関係における居場所感が有と回答している者の方が有意に多い。
生活感情の構造 生活感情の構造を分析するため,生活感情とした22項目それぞれについて感じるか否かの2カテゴリー計44カテゴリーを,数量化理論第Ⅲ類で解析した結果,充実感や幸福感といった生活が充足している生活感情の対極に,孤独感や疎外感が存在することが示唆された。
対人関係における居場所感と生活感情 対人関係における居場所感の有無と各生活感情の差を検討するため,カイ二乗を行った。その結果,充実感,幸福感,期待感,よろこび,(Χ2(1)=24.65,23.3,18.45,11.79,p<.001),感動(Χ2(1)=7.35,p<.01),解放感(Χ2(1)=4.23,p<.05)が対人関係における居場所感が有とする者の方が有意に高く,孤独感,疎外感,自己嫌悪においては,対人関係における居場所感が無とする者の方が有意に高かった(Χ2(1)=3.8,4.4,3.68,p<.05)。
生活感情と居場所機能 生活感情について探索的クラスター分析を行った結果「疲労・面倒」「孤独・疎外」「幸福・充実」の3クラスターが抽出された。各クラスターと居場所機能の関連について残差分析を行った。
考 察
居場所環境と主観的な普段の対人関係における居場所感の有無には相違がある。対人関係における居場所感を得られている者は,充実感や幸福感を持っている。最もいたいと思う居場所として自分ひとりを選ぶ者は,孤独感や疎外感を持ち,対人関係における居場所感が無をする傾向が示唆された。