日本教育心理学会第59回総会

講演情報

ポスター発表 PH(01-78)

ポスター発表 PH(01-78)

2017年10月9日(月) 13:00 〜 15:00 白鳥ホールB (4号館1階)

13:00 〜 15:00

[PH59] 2016年B県調査による高等学校教師のメンタルヘルス(3)

B県C市小中学校調査,A県高等学校調査との比較

森慶輔1, 奥村太一2, 北島正人3, 宮下敏恵4, 増井晃5 (1.足利工業大学, 2.上越教育大学, 3.秋田大学, 4.上越教育大学, 5.上越教育大学)

キーワード:メンタルヘルス, ストレス, バーンアウト

問題と目的
 2016年に我々の研究グループで実施したA県,B県高等学校調査のデータと,2013年に実施したB県C市小中学校調査のデータを比較することで,高等学校教員のメンタルヘルスの実態を明らかにすることを目的とした。
方   法
 調査対象はA県,B県公立高等学校教諭等,A県C市公立小中学校教諭等である。A県高等学校調査はA県内の高等学校5校に協力を依頼し,B県高等学校調査はB県教育委員会に協力を依頼し, 2016年11月に実施した。B県C市小中学校調査は,B県C市校長会に協力を依頼し2014年8月に実施した。なお,これらの調査は,上越教育大学及び足利工業大学の研究倫理審査の承認を受け,実施された。
 調査内容で共通しているものは,職業性ストレス簡易調査票(下平・原谷,2000)から抜粋した項目と,改訂版教師用ストレス自己評価尺度(奥村他,2016)であり,分析は,A県高等学校教諭等,B県高等学校教諭等,B県C市小学校教諭等,B県C市中学校教諭等,を独立変数とした分散分析を行った。
結果と考察
 調査データの平均値,標準偏差を表に示した。分散分析及び多重比較の結果,働きがい以外の下位尺度に有意差が認められた。高等学校教諭等の特徴として,心理的負担,身体的負担,職場環境ストレス,情緒的消耗感の各得点が小中学校教諭等より低く,コントロール度,脱人格化の各得点は小中学校教諭等より高かった。概して小中学校教諭等より高等学校教諭等のほうがメンタルヘルスは良好であると考えられた。脱人格化得点が高いのは,高等学校教諭等が高校生を大人として対応していることの表れと考えられた。
引用文献
奥村太一他(2016).教師用ストレス自己評価尺度の改訂(2) 日本学校メンタルヘルス学会第20回大会抄録集,106.
下光輝一・原谷隆史(2000).職業性ストレス簡易調査票の信頼性の検討と基準値の設定 労働省平成11年度「作業関連疾患の予防に関する研究」報告書,126-138