[JA05] アートは学校を変えるか
アートによる学校的学習観再構築の可能性を問う
キーワード:アート, 学校, 学習
企画趣旨
学校における学習の特徴とその問題点はフレイレ,イリッチをはじめこれまでさまざま人々によって論じられてきた。最近ではテクノロジーの発達に伴う社会の急激な変化によって新たな学力観が提起されてもいる。心理学では1980年代にEveryday Cognition(Logoff et al.,1984)に代表される日常認知研究が盛んになり,学校での学習の相対化がなされ,学習の転移概念の批判的検討がなされた。教室談話や教室秩序に関する社会学研究,日常活動の人類学研究などとの学際的な学習研究によって,学校的学習の特殊性が示され,それが人間の学習を必ずしも代表するものではないこと,さらには,認知的徒弟制,状況論的学習,拡張的学習など新たな学習論が生み出されることにもなった。学校的学習が既存の知識や技能の獲得に焦点をあてているとすれば,これらの学習観は学習者の人格発達や創造性を強調しているといえる。これらの研究のインパクトは大きかったものの,実際に学校に内在する学習観や教授学習活動を変えることは難しかったようで,学校における学習活動が革新されたとは言いがたい。ところが,現在新たな動向として,創造性や非認知的側面である社会性の育成にとってアートが重要ではないかという見解が示されるようになっている(OECD, 2013)。また,学校現場でも,AIS(Artist in School)事業のようにアーティストを長期にわたって学校に「住まわせる」プロジェクトも始まっている。これまでもミュージアムへ学級単位で出掛けていくような単発型の活動は盛んであったが,子どもたちがアートとより深く関わる場が作られようとしているといえる。さらには,放課後活動として,公民館やミュージアム,劇場等の施設主催のアートイベントにも多くの子どもが参加している。そうした活動が実際に子どもたち,教師,学校にどのような影響を与えているのか,まだ十分なエビデンスがあるとはいえない。しかし,こうした動向を確認し,今後の課題を整理しておくことは無駄ではないだろう。まず石黒が企画主旨を述べた後,AIS活動について報告する。続いて岡田氏がミュージアム研究,池内氏が造形教育研究,小林氏がパフォーマンスアーツ研究から,アート活動が従来の学校的学習観を変える可能性についてそれぞれ述べる。報告後,芸術教育の立場から真壁氏に,学習研究の立場から高木氏にコメントをいただく。
学校でアーティストと子どもが出会うことで何が生まれるのか
石黒広昭
アートが既存の価値に抗う革新性(Vygotsky, 1925; Dewey, 1934)を持つのであれば,教えることとの間に緊張関係が生じないわけにはいかないだろう。学校教育は合理的に設計された教授カリキュラムによって,効率的かつ効果的に学習が成立することを目指している。教える人は既にその教授内容のすべてを知り,教えられる人はそれを知らない人とされる。これに対してアートは合理性を嫌い,既存の意味や価値を一旦括弧に入れ,再考することを求める。このような単純化が許されるのであれば,両者は対立する関係にあるといえる。このような枠組の下でArt in School活動を捉えてみたとき,そもそもそれは何を実現する活動になるのだろうか。AISとはアーティストが学校に数週間から数カ月滞在し,そこで制作活動を行う活動である。その学校の授業に協力することもあるが,アーティストがある場所に滞在しながら作品を作るArt in Residenceの滞在場所が学校になったものと考えたらよいだろう。この活動を組織している一般社団法人AISプランニング(http://ais-p.jp/activity/artist-in-school/)によれば,1)「芸術家は講師ではなく,不思議な「転校生」として紹介」される,2)「学校にある余裕教室をアーティストのアトリエ」にする,3)「カリキュラムに影響を与えることなく,子どもたちが自由な休み時間や放課後を利用した交流活動を前提」とする,という。同事業の観察と関係者の聞き取りからアートと学校教育の関係を考えたい。
触発するアートコミュニケーション
岡田 猛
学校場面での教育的コミュニケーションは,教育的介入や学習支援という言葉で語られることが多い。教育的介入は,教育者が設定した教育目標を学習者が達成するように教育者が働きかけるものであり,学習支援は学習者が設定した目標を達成できるように教育者が支援するものである。しかしながら,ミュージアム等のインフォーマルな学習場面でアーティストが行っているワークショップでは,アーティストは参加者に対して教育的介入や学習支援を行っているという認識は持っていない。むしろ彼らは,そのようなワークショップの場で自分の表現を提案して参加者を触発したり,参加者の表現に触発されて新しい表現を生み出したりといった活動を行っている。その意味では,アーティストは「触発するアートコミュニケーション」をコーディネイトしているという表現がふさわしいであろう。今回の発表では,私の研究室でこれまで取り組んできたアートの「触発」に関する理論的・実証的な研究を紹介し,さらにミュージアムや大学でのアートのワークショップや授業に関する実践的研究を紹介しつつ,「触発するアートコミュニケーション」のあり方について我々の考えを述べる予定である。加えて,そのような研究の意義として,文化を生み出す社会的営みとして芸術活動への参加を通して,人々が知的な教養に加えて,「創造的教養」を獲得することの重要性を指摘したい。創造的教養とは,創造活動の体験を通して獲得された知識や創造活動への態度や習慣から成り立ち,それが人々が創造的に生きるための指針として機能すると我々は考えている。そのような創造的教養の育成のために,学校のようなフォーマルな学習環境とミュージアムのようなインフォーマルな学習環境との連携が重要であることを指摘したい。
ハーバード・プロジェクト・ゼロの「造形教育」の理論と実践からみる異次元の思考
池内慈朗
残念なことに,ほとんどの多くの研究からアートは学校教育のなんの役に立たないといわれている。これまで多くの美術教師,美術教育研究者も「造形教育の力」を信じ,Harbart Read 卿の著書Education through Artは美術教育関係者に心地よい響きで受け入れられたが内容が複雑すぎて活かされなかった。本発表では,ハーバード・プロジェクト・ゼロの理論と実践を交えながら,造形体験が,子どもたちの創造性育成,人格発達に資するのか諸説を紹介しつつ今日的な視点から考察してみたい。
1,アートと知能の観点から考えてみると,ハワード・ガードナーのMI理論の8つの知能のうち,アートは2D,3Dの空間芸術であるので空間認識知能を扱う。その他に博物学知能は,進化の過程で,この植物は食べられる植物か,水源のありか,獣の足跡から得られる情報,微妙な差異を見分ける能力である。これらの知能は観察,発想,創造性とアート体験で育まれる。他の6つの知能も関わりがある。新しいニューロン・ネットワークが生まれてくる。2,芸術的発達,メタファーの発達は,Uの字曲線理論といわれている。遊び,失敗を成功に変える作業など,固定観念から,年齢とともに凝り固まっていく思考をゆるめ,解き放つという説。3,知能の強弱,知能の組み合わせの違いは,個々の思考パターンを形成している。興味のもちかたも様々で,エントリー・ポイントという学習の入り口で他教科にも援用され実践されている。4,色々な経験を率直に受け入れる人格は,創造的業績に資する。アート体験は,人格発達の入口として有効である可能性があるという説。1~4をベースに,芸術教育をこれまでにない異なった体験に導けるならば,造形体験によって豊かな変革をとげる可能性をふくんでいる。
DIE/TIEからアプライド・ドラマ/アプライド・シアターへ
小林由利子
UKでハリエット・F・ジョンソン(Harriet F. Jonson)が,『教育のためのドラマの方法(Dramatic Method of Teaching)』(1915)を出版した。1920年代にUSAにおいてウィニフレッド・ウォード(Winifred Ward) が,演じることを自体と重視した過程中心のドラマ活動であるクリエイティブ・ドラマを創始した。1960年代のUKおいて,ドロシー・ヘスカット(Dorothy Heathcote)とギャビン・ボルトン(Gavin Bolton)が,DIE(Drama in Education)という学校におけるドラマ活動をはじめた。同時にアクター/ティチャーズとよばれる俳優たちが,地域に密着したテーマを取り上げて,半日から1日をかけて,子どもたちに場面を見せたり,子どもたちが演劇に参加したり,一緒に討論したりするTIE(Theatre in Education)という活動がはじまった。これらは,学校におけるドラマ/演劇活動である。しかし,1988年にUKで新しいナショナル・カリキュラムが導入されると,学校におけるドラマ/演劇活動であるDIE/TIEは急速に衰退した。ドラマ/演劇活動は,ナショナル・カリキュラムにおける教科を効果的に教える学習媒体として強調されるようになっていった。
1990年になるとUKの学校教育において,ドラマ/演劇活動を行う機会が減少していったので,社会教育の場で応用されるようになっていった。たとえば,病院,刑務所,更生施設,博物館,美術館,児童館,地域コミュニティー・センター,老人ホーム,研修センター,会社等において,ドラマ/演劇活動がさまざまなプログラムに導入されるようになっていった。これらの活動は,アプライド・ドラマ(Applied Drama)やアプライド・シアター(Applied Theatre)と呼ばれている。2005年ごろからジェームス・ヘックマン(James J. Heckman)の研究により乳幼児期の重要性が指摘された影響もあり,劇場・保育所等での乳幼児のための演劇が,ヨーロッパで急速に発展している。現在,ドラマ/演劇活動は,学校教育から社会教育へと広がっているといえる。さらに,ドラマ/演劇教育の専門家だけでなく,さまざまな分野の専門家と協働してプロジェクトとしてドラマ/演劇活動を実践する試みが増えている。
付 記
本企画は基盤研究(B)(17H02710)(研究代表:石黒)の助成を受けている。
学校における学習の特徴とその問題点はフレイレ,イリッチをはじめこれまでさまざま人々によって論じられてきた。最近ではテクノロジーの発達に伴う社会の急激な変化によって新たな学力観が提起されてもいる。心理学では1980年代にEveryday Cognition(Logoff et al.,1984)に代表される日常認知研究が盛んになり,学校での学習の相対化がなされ,学習の転移概念の批判的検討がなされた。教室談話や教室秩序に関する社会学研究,日常活動の人類学研究などとの学際的な学習研究によって,学校的学習の特殊性が示され,それが人間の学習を必ずしも代表するものではないこと,さらには,認知的徒弟制,状況論的学習,拡張的学習など新たな学習論が生み出されることにもなった。学校的学習が既存の知識や技能の獲得に焦点をあてているとすれば,これらの学習観は学習者の人格発達や創造性を強調しているといえる。これらの研究のインパクトは大きかったものの,実際に学校に内在する学習観や教授学習活動を変えることは難しかったようで,学校における学習活動が革新されたとは言いがたい。ところが,現在新たな動向として,創造性や非認知的側面である社会性の育成にとってアートが重要ではないかという見解が示されるようになっている(OECD, 2013)。また,学校現場でも,AIS(Artist in School)事業のようにアーティストを長期にわたって学校に「住まわせる」プロジェクトも始まっている。これまでもミュージアムへ学級単位で出掛けていくような単発型の活動は盛んであったが,子どもたちがアートとより深く関わる場が作られようとしているといえる。さらには,放課後活動として,公民館やミュージアム,劇場等の施設主催のアートイベントにも多くの子どもが参加している。そうした活動が実際に子どもたち,教師,学校にどのような影響を与えているのか,まだ十分なエビデンスがあるとはいえない。しかし,こうした動向を確認し,今後の課題を整理しておくことは無駄ではないだろう。まず石黒が企画主旨を述べた後,AIS活動について報告する。続いて岡田氏がミュージアム研究,池内氏が造形教育研究,小林氏がパフォーマンスアーツ研究から,アート活動が従来の学校的学習観を変える可能性についてそれぞれ述べる。報告後,芸術教育の立場から真壁氏に,学習研究の立場から高木氏にコメントをいただく。
学校でアーティストと子どもが出会うことで何が生まれるのか
石黒広昭
アートが既存の価値に抗う革新性(Vygotsky, 1925; Dewey, 1934)を持つのであれば,教えることとの間に緊張関係が生じないわけにはいかないだろう。学校教育は合理的に設計された教授カリキュラムによって,効率的かつ効果的に学習が成立することを目指している。教える人は既にその教授内容のすべてを知り,教えられる人はそれを知らない人とされる。これに対してアートは合理性を嫌い,既存の意味や価値を一旦括弧に入れ,再考することを求める。このような単純化が許されるのであれば,両者は対立する関係にあるといえる。このような枠組の下でArt in School活動を捉えてみたとき,そもそもそれは何を実現する活動になるのだろうか。AISとはアーティストが学校に数週間から数カ月滞在し,そこで制作活動を行う活動である。その学校の授業に協力することもあるが,アーティストがある場所に滞在しながら作品を作るArt in Residenceの滞在場所が学校になったものと考えたらよいだろう。この活動を組織している一般社団法人AISプランニング(http://ais-p.jp/activity/artist-in-school/)によれば,1)「芸術家は講師ではなく,不思議な「転校生」として紹介」される,2)「学校にある余裕教室をアーティストのアトリエ」にする,3)「カリキュラムに影響を与えることなく,子どもたちが自由な休み時間や放課後を利用した交流活動を前提」とする,という。同事業の観察と関係者の聞き取りからアートと学校教育の関係を考えたい。
触発するアートコミュニケーション
岡田 猛
学校場面での教育的コミュニケーションは,教育的介入や学習支援という言葉で語られることが多い。教育的介入は,教育者が設定した教育目標を学習者が達成するように教育者が働きかけるものであり,学習支援は学習者が設定した目標を達成できるように教育者が支援するものである。しかしながら,ミュージアム等のインフォーマルな学習場面でアーティストが行っているワークショップでは,アーティストは参加者に対して教育的介入や学習支援を行っているという認識は持っていない。むしろ彼らは,そのようなワークショップの場で自分の表現を提案して参加者を触発したり,参加者の表現に触発されて新しい表現を生み出したりといった活動を行っている。その意味では,アーティストは「触発するアートコミュニケーション」をコーディネイトしているという表現がふさわしいであろう。今回の発表では,私の研究室でこれまで取り組んできたアートの「触発」に関する理論的・実証的な研究を紹介し,さらにミュージアムや大学でのアートのワークショップや授業に関する実践的研究を紹介しつつ,「触発するアートコミュニケーション」のあり方について我々の考えを述べる予定である。加えて,そのような研究の意義として,文化を生み出す社会的営みとして芸術活動への参加を通して,人々が知的な教養に加えて,「創造的教養」を獲得することの重要性を指摘したい。創造的教養とは,創造活動の体験を通して獲得された知識や創造活動への態度や習慣から成り立ち,それが人々が創造的に生きるための指針として機能すると我々は考えている。そのような創造的教養の育成のために,学校のようなフォーマルな学習環境とミュージアムのようなインフォーマルな学習環境との連携が重要であることを指摘したい。
ハーバード・プロジェクト・ゼロの「造形教育」の理論と実践からみる異次元の思考
池内慈朗
残念なことに,ほとんどの多くの研究からアートは学校教育のなんの役に立たないといわれている。これまで多くの美術教師,美術教育研究者も「造形教育の力」を信じ,Harbart Read 卿の著書Education through Artは美術教育関係者に心地よい響きで受け入れられたが内容が複雑すぎて活かされなかった。本発表では,ハーバード・プロジェクト・ゼロの理論と実践を交えながら,造形体験が,子どもたちの創造性育成,人格発達に資するのか諸説を紹介しつつ今日的な視点から考察してみたい。
1,アートと知能の観点から考えてみると,ハワード・ガードナーのMI理論の8つの知能のうち,アートは2D,3Dの空間芸術であるので空間認識知能を扱う。その他に博物学知能は,進化の過程で,この植物は食べられる植物か,水源のありか,獣の足跡から得られる情報,微妙な差異を見分ける能力である。これらの知能は観察,発想,創造性とアート体験で育まれる。他の6つの知能も関わりがある。新しいニューロン・ネットワークが生まれてくる。2,芸術的発達,メタファーの発達は,Uの字曲線理論といわれている。遊び,失敗を成功に変える作業など,固定観念から,年齢とともに凝り固まっていく思考をゆるめ,解き放つという説。3,知能の強弱,知能の組み合わせの違いは,個々の思考パターンを形成している。興味のもちかたも様々で,エントリー・ポイントという学習の入り口で他教科にも援用され実践されている。4,色々な経験を率直に受け入れる人格は,創造的業績に資する。アート体験は,人格発達の入口として有効である可能性があるという説。1~4をベースに,芸術教育をこれまでにない異なった体験に導けるならば,造形体験によって豊かな変革をとげる可能性をふくんでいる。
DIE/TIEからアプライド・ドラマ/アプライド・シアターへ
小林由利子
UKでハリエット・F・ジョンソン(Harriet F. Jonson)が,『教育のためのドラマの方法(Dramatic Method of Teaching)』(1915)を出版した。1920年代にUSAにおいてウィニフレッド・ウォード(Winifred Ward) が,演じることを自体と重視した過程中心のドラマ活動であるクリエイティブ・ドラマを創始した。1960年代のUKおいて,ドロシー・ヘスカット(Dorothy Heathcote)とギャビン・ボルトン(Gavin Bolton)が,DIE(Drama in Education)という学校におけるドラマ活動をはじめた。同時にアクター/ティチャーズとよばれる俳優たちが,地域に密着したテーマを取り上げて,半日から1日をかけて,子どもたちに場面を見せたり,子どもたちが演劇に参加したり,一緒に討論したりするTIE(Theatre in Education)という活動がはじまった。これらは,学校におけるドラマ/演劇活動である。しかし,1988年にUKで新しいナショナル・カリキュラムが導入されると,学校におけるドラマ/演劇活動であるDIE/TIEは急速に衰退した。ドラマ/演劇活動は,ナショナル・カリキュラムにおける教科を効果的に教える学習媒体として強調されるようになっていった。
1990年になるとUKの学校教育において,ドラマ/演劇活動を行う機会が減少していったので,社会教育の場で応用されるようになっていった。たとえば,病院,刑務所,更生施設,博物館,美術館,児童館,地域コミュニティー・センター,老人ホーム,研修センター,会社等において,ドラマ/演劇活動がさまざまなプログラムに導入されるようになっていった。これらの活動は,アプライド・ドラマ(Applied Drama)やアプライド・シアター(Applied Theatre)と呼ばれている。2005年ごろからジェームス・ヘックマン(James J. Heckman)の研究により乳幼児期の重要性が指摘された影響もあり,劇場・保育所等での乳幼児のための演劇が,ヨーロッパで急速に発展している。現在,ドラマ/演劇活動は,学校教育から社会教育へと広がっているといえる。さらに,ドラマ/演劇教育の専門家だけでなく,さまざまな分野の専門家と協働してプロジェクトとしてドラマ/演劇活動を実践する試みが増えている。
付 記
本企画は基盤研究(B)(17H02710)(研究代表:石黒)の助成を受けている。