[PC52] 大学生のグループ活動における参加度がコンセンサスゲームに与える影響
自己理解に着目して
Keywords:大学生, グループ活動, コンセンサスゲーム
大学の授業終了後に,友だちとうまく関われないと相談をうける。授業の最後の感想に,友だちと関われないからこの授業を受講したと述べる学生が多くいる。大学生の対人関係はどうなっているのか疑問に感じる。高田(2018)が行った大学生285名の人間関係に関する悩みの自由記述によると,悩みが生じる人間関係として,友だち関係や恋愛関係,家族関係,先輩後輩,アルバイト関係であった。具体的な悩みは,「性格領域」“人見知りをしてしまうこと”や“短期である”といったことだけではなく,“人が自分をどう思っているのかが非常に気になり心配”という記述が多かったと述べている。柴田(2017)も大学生の多くが他者とのかかわりの中で自分らしくふるまうことに関して,悩みを抱えているとして,都内の私立大学383名に質問紙調査を行っている。その結果将来的に自分が何かに打ち込むことに期待が持てない人は,他者との親密な関係を避ける傾向があることが明らかになった。また重大な選択について思い悩んだ経験があると強く感じているほど,他者から見捨てられるのではないかと不安に思ったり,他者と親密な関係を築くことを避けたりする姿勢が強くなる傾向があると述べている。今までの経験なかで,大学生は人とのかかわりに少し不安を抱えているように感じる。信頼できる仲間なら,関わることは楽しいことであることを少しでも感じてほしいと考えた。田上(2010)は,対人関係ゲームは,人間関係づくりに効果があると述べ。人々が支えたり,支えられたりする人間関係であって,意味のあることをしていると思えて,楽しいとか面白いという集団の実現である。イメージとしては「群れ」である。「群れ」とは,子ども同士に協力関係があり,学級への所属意識や愛着が自然にわいてきて,クラスメイトや学級の活動に自分は役立っているという実感がもてる集団であると述べている。
大学においてグループ活動を行うと,学生たちの顔にだんだん変化が現れる。この活動だけは参加したいので,だるかったけど大学に来たと語る学生や,何かあっても休まないと宣言する学生もいる。人と関わることに楽しさをだんだん感じているのかもしれない。今回の活動は対人関係ゲームを中心に,コンセンサスのあるゲームを行った。コンセンサスゲームは,社会心理学のジェイ・ホールが考案したもので,チームで考えるトレーニングとしてNASAや企業研修でおこなわれている。課題に対してグループで目的をもって話し合い,折り合いをつけて結果をだすものである。ゲームでは発言が重要になり,相手のことを考えて活動すると言われている。
本研究の目的は,この活動への参加度が自己評価で高かった学生と低かった学生では,コンセンサスゲームにおける,自己理解に変化があるのかを明らかにすることとする。
方 法
対象者 A大学の大学1・2・3・4年生175名(男子85名,女子90間は2017年4月より2017年7月の約3か月間で,友だちづくりの授業の一環として,グループ活動を毎週行った。
コンセンサスゲームは「バンガロー殺人事件」「SOS砂漠でサバイバル」「間違い探し絵」「ストロータワー」「なぞなぞ」「月で遭難」「白雪姫の相談」であった
倫理的配慮
インフォームド・コンセントを行い。本研究への協力を求めた者を調査対象とした。回答は拒否
中断は可能であり,このことによる不利益が生じないことを口頭で伝えた。
結果・考察
授業への参加度を最高が100点として自己採点を行った。その結果得点は40点から100点の範囲となった。40点から75点までを自己評価低群・80点から87点を自己評価中群・90点から100点までを自己評価高群とした。自己評価3群を独立変数とし,自己理解度を従属変数とした一要因の分散分析を行い,多重比較を行った結果,コンセンサスのあるゲームを実施した場合,自己評価低群の自己理解得点と自己評価中群の自己理解得点は5%水準で有意に中群が高く,自己評価低群の自己理解得点と自己評価高群の自己理解得点では,1%水準で高群が有意に高かった。しかし自己評価中群の自己理解得点と自己評価高群の自己理解得点には有意な差は見られなかった。このことからコンセンサスゲームを行う場合は,参加度がある程度あれば自己理解が促進されることが明らかになった。コンセンサスゲームはやる気に満ちてなくても,参加者の自己理解が高くなることが示唆されたことになる。
大学においてグループ活動を行うと,学生たちの顔にだんだん変化が現れる。この活動だけは参加したいので,だるかったけど大学に来たと語る学生や,何かあっても休まないと宣言する学生もいる。人と関わることに楽しさをだんだん感じているのかもしれない。今回の活動は対人関係ゲームを中心に,コンセンサスのあるゲームを行った。コンセンサスゲームは,社会心理学のジェイ・ホールが考案したもので,チームで考えるトレーニングとしてNASAや企業研修でおこなわれている。課題に対してグループで目的をもって話し合い,折り合いをつけて結果をだすものである。ゲームでは発言が重要になり,相手のことを考えて活動すると言われている。
本研究の目的は,この活動への参加度が自己評価で高かった学生と低かった学生では,コンセンサスゲームにおける,自己理解に変化があるのかを明らかにすることとする。
方 法
対象者 A大学の大学1・2・3・4年生175名(男子85名,女子90間は2017年4月より2017年7月の約3か月間で,友だちづくりの授業の一環として,グループ活動を毎週行った。
コンセンサスゲームは「バンガロー殺人事件」「SOS砂漠でサバイバル」「間違い探し絵」「ストロータワー」「なぞなぞ」「月で遭難」「白雪姫の相談」であった
倫理的配慮
インフォームド・コンセントを行い。本研究への協力を求めた者を調査対象とした。回答は拒否
中断は可能であり,このことによる不利益が生じないことを口頭で伝えた。
結果・考察
授業への参加度を最高が100点として自己採点を行った。その結果得点は40点から100点の範囲となった。40点から75点までを自己評価低群・80点から87点を自己評価中群・90点から100点までを自己評価高群とした。自己評価3群を独立変数とし,自己理解度を従属変数とした一要因の分散分析を行い,多重比較を行った結果,コンセンサスのあるゲームを実施した場合,自己評価低群の自己理解得点と自己評価中群の自己理解得点は5%水準で有意に中群が高く,自己評価低群の自己理解得点と自己評価高群の自己理解得点では,1%水準で高群が有意に高かった。しかし自己評価中群の自己理解得点と自己評価高群の自己理解得点には有意な差は見られなかった。このことからコンセンサスゲームを行う場合は,参加度がある程度あれば自己理解が促進されることが明らかになった。コンセンサスゲームはやる気に満ちてなくても,参加者の自己理解が高くなることが示唆されたことになる。