The 60th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

Presentation information

ポスター発表

[PC] ポスター発表 PC(01-76)

Sat. Sep 15, 2018 3:30 PM - 5:30 PM D203 (独立館 2階)

在席責任時間 奇数番号15:30~16:30 偶数番号16:30~17:30

[PC74] 大学生の成長を捉えるための取り組み

四日市大学成長スケール2016年度作成版における新入生の縦断的変化

齋藤信 (四日市大学)

Keywords:大学生, ルーブリック, 縦断的変化

問題と目的
 本発表では,新入生の縦断的変化から大学生の成長について検討する。四日市大学では,大学生の成長を捉えるための測度として,四日市大学成長スケール2016 年度作成版を開発した。四日市大学成長スケール2016 年度作成版は,ルーブリック評価の手法を基軸としている。本発表では,ルーブリック評価の手法により捉えられる大学生の成長について,新入生を対象とした2時点の縦断的調査から,検討することを目的とする。

方  法
1. 参加者と調査時点
 参加者は,四日市大学の3 学部(経済学部・環境情報学部・総合政策学部)に所属する2016年4月入学の1 年生(新入生)で,集計の対象者は146 名であった。第1回目の調査時点は2016年9月,第2回目の調査時点は2017年3月であった。
2. 測度 
 四日市大学成長スケール2016 年度作成版
①学年・学部を含む基本情報 ②9個の成長指標と各成長指標4 段階(Step 1,Step 2,Step 3,Step 4)から成る成長指標ルーブリック
3. 調査手続き
 ①調査票回答 ②調査票に基づく教員との面談

結  果
1. 2時点における各段階の参加者数の変化
 2時点における各段階の参加者数の変化をTable 1に示した。第1回目の調査時点から第2回目の調査時点への変化で,Step 1,Step 2の参加者数の割合は減少していた。一方,Step 3,Step 4の人数の割合は増加していた。
2. 2時点における変化の様相別の参加者数
 2時点における変化の様相を,「上昇」(下位の段階から上位の段階への変化),「下降」(上位の段階から下位の段階への変化),「変化なし」の3様相に分類して,それぞれの参加者数を集計した(Table 2)。最も参加者数の多かった様相は,「変化なし」で,次に多かった様相が「上昇」,最も少なかった様相が「下降」であった

考  察
 四日市大学成長スケール2016年度作成版に基づく,新入生を対象とした2時点の縦断的調査において,新入生の成長と考えられる結果が示されることが明らかになった。今後は,他の学年を対象とした調査や,より長期間の縦断的調査を実施した結果から,大学生の成長について考える必要があると考えられる。