[PC76] 部活動における目的の有無と学校生活意欲との関連
キーワード:部活動, 目的意識, 学校生活意欲
問題と目的
学習指導要領において,部活動と学校教育の関連が求められている。先行研究でも,部活動への参加の有無だけではなく,部活動での積極的な取り組みは,学習意欲をはじめ,学校意欲との関連があることが指摘されている。
そこで本研究では,中学生を対象に,部活動に取り組む際の目的・目標意識の高さと,学校生活意欲との関連について検討することを目的とした。
方 法
調査時期:201X年9月中旬から11月にかけて質問紙による調査を実施した。調査時期に関しては,行事などでの生徒の意欲の高まりを考慮して,調査時期を決定した。
調査対象:A県B市C中学校の生徒205名(男子96名,女子109名)を調査の対象とし,すべての項目に対し欠損値がない有効回答者201名(男子93名,女子108名,有効回答率98.0%)を分析の対象とした。
測定用具:中学校を対象とした質問紙による調査を行った。質問用紙は学級集団アセスメント尺度Q-U(河村,1999)から,学校生活意欲尺度を使用した。この尺度は児童生徒の学校生活意欲を測定するものであり,児童生徒が学校生活の代表的な領域から構成されており,各領域に対する意欲や充実感を測定する尺度である。測定する領域として,中学生用は,5つの下位尺度から構成されており,友人との関係,学習意欲,教師との関係,学級との関係,進路意識であり,学校生活に対する意欲を測定することが可能である。それぞれの下位尺度は,5件法(「1;全くあてはまらない」から「5;とてもあてはまる」の)であり,それぞれ単純加算により得点を算出するものである。
次に,部活動意欲尺度を使用した。これは,河村(2002)が作成した尺度であり,部活動の意欲を測るもので,一因子で構成されており,4項目で測定される。項目における評定は5件法(「1;全くあてはまらない」から「5;とてもあてはまる」)であり,それぞれ単純加算により得点を算出するものである。そして,生徒の部活動における目的や目標の意識についても,「部活動の活動や練習に,目的や目標を意識して取り組んでいる」に対して,5件法で回答を求めた。
調査手続き:学校長,学級担任に承諾を得た上で,学級ごとに集団方式で質問紙における調査を実施した。調査を実施するにあたり,この調査は学校の成績に関係がないこと,回答は強制ではなく回答しなくても不利益を被らないこと,回答は担任教師を含め教職員に見られることなく,データ処理されること,個人のプライバシーは守られることが調査参加者に伝えられた。また,上記内容についてはフェイスシートにも明記した。
結 果
対象となった生徒たちを,目的・目標意識の得点からそれぞれ,高群,中群,低群に分類し,学校生活意欲の各領域の得点とに一要因分散分析を行った(Table1)。
結果として,目的・目標意識高群は,友達との関係,学習意欲,学級との関係の各得点が,目的・目標意識低群,目的・目標意識中群より有意に値が高かった。また,進路意識,部活動意欲の領域においては,目的・目標意識高群,目的・目標意識中群,目的・目標意識低群の順に,有意に値が高かった。ただし,教師との関係においては,有意な差は認められなかった。
考 察
本調査の結果より,部活動に目的をもって取り組んでいる生徒は,学校生活意欲も高いことが明らかになった。部活動に積極的な生徒は学校の諸活動にも意欲的であるという先行研究や,部活動意欲と学校生活意欲は相関が見られるという先行研究を,本研究は支持する結果が得られたといえる。活動に対して目的や目標をもって取り組む姿勢は,その背景にある動機は同一化調整であり,内発的な動機である。したがって,目的をもって部活動に取り組む生徒は,他の学校生活の活動にも同様の傾向が想定され,その結果学校生活意欲も高くなっていると考えられた。
学習指導要領において,部活動と学校教育の関連が求められている。先行研究でも,部活動への参加の有無だけではなく,部活動での積極的な取り組みは,学習意欲をはじめ,学校意欲との関連があることが指摘されている。
そこで本研究では,中学生を対象に,部活動に取り組む際の目的・目標意識の高さと,学校生活意欲との関連について検討することを目的とした。
方 法
調査時期:201X年9月中旬から11月にかけて質問紙による調査を実施した。調査時期に関しては,行事などでの生徒の意欲の高まりを考慮して,調査時期を決定した。
調査対象:A県B市C中学校の生徒205名(男子96名,女子109名)を調査の対象とし,すべての項目に対し欠損値がない有効回答者201名(男子93名,女子108名,有効回答率98.0%)を分析の対象とした。
測定用具:中学校を対象とした質問紙による調査を行った。質問用紙は学級集団アセスメント尺度Q-U(河村,1999)から,学校生活意欲尺度を使用した。この尺度は児童生徒の学校生活意欲を測定するものであり,児童生徒が学校生活の代表的な領域から構成されており,各領域に対する意欲や充実感を測定する尺度である。測定する領域として,中学生用は,5つの下位尺度から構成されており,友人との関係,学習意欲,教師との関係,学級との関係,進路意識であり,学校生活に対する意欲を測定することが可能である。それぞれの下位尺度は,5件法(「1;全くあてはまらない」から「5;とてもあてはまる」の)であり,それぞれ単純加算により得点を算出するものである。
次に,部活動意欲尺度を使用した。これは,河村(2002)が作成した尺度であり,部活動の意欲を測るもので,一因子で構成されており,4項目で測定される。項目における評定は5件法(「1;全くあてはまらない」から「5;とてもあてはまる」)であり,それぞれ単純加算により得点を算出するものである。そして,生徒の部活動における目的や目標の意識についても,「部活動の活動や練習に,目的や目標を意識して取り組んでいる」に対して,5件法で回答を求めた。
調査手続き:学校長,学級担任に承諾を得た上で,学級ごとに集団方式で質問紙における調査を実施した。調査を実施するにあたり,この調査は学校の成績に関係がないこと,回答は強制ではなく回答しなくても不利益を被らないこと,回答は担任教師を含め教職員に見られることなく,データ処理されること,個人のプライバシーは守られることが調査参加者に伝えられた。また,上記内容についてはフェイスシートにも明記した。
結 果
対象となった生徒たちを,目的・目標意識の得点からそれぞれ,高群,中群,低群に分類し,学校生活意欲の各領域の得点とに一要因分散分析を行った(Table1)。
結果として,目的・目標意識高群は,友達との関係,学習意欲,学級との関係の各得点が,目的・目標意識低群,目的・目標意識中群より有意に値が高かった。また,進路意識,部活動意欲の領域においては,目的・目標意識高群,目的・目標意識中群,目的・目標意識低群の順に,有意に値が高かった。ただし,教師との関係においては,有意な差は認められなかった。
考 察
本調査の結果より,部活動に目的をもって取り組んでいる生徒は,学校生活意欲も高いことが明らかになった。部活動に積極的な生徒は学校の諸活動にも意欲的であるという先行研究や,部活動意欲と学校生活意欲は相関が見られるという先行研究を,本研究は支持する結果が得られたといえる。活動に対して目的や目標をもって取り組む姿勢は,その背景にある動機は同一化調整であり,内発的な動機である。したがって,目的をもって部活動に取り組む生徒は,他の学校生活の活動にも同様の傾向が想定され,その結果学校生活意欲も高くなっていると考えられた。