[PF33] 相互対話型指導による相手を嫌な気持ちにさせる言葉の指導に関する研究
道徳などにおける取り組み
Keywords:アクティブラーニング型授業, 相互対話型指導, 学級集団
目 的
文部科学省(2016)は,道徳の特別の教科化の大きなきっかけはいじめに関する痛ましい事案のためとし,「あなたならどうするか」を真正面から問う「考え,議論する道徳への転換」によるいじめ防止を行うとしている。実際,平成28年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果(速報値)において,小学校のいじめの認知件数は前年度より大幅に増え,いじめの様態では最も多いのが「冷やかしやからかい,悪口や脅し文句,嫌なことを言われる」であった。このことから,いじめの中でも,ひやかしやからかいなど言葉によるいじめに対する対策をすぐにでも講じる必要があると思われる。そのため,本研究では,小学校における相互対話型指導による相手を嫌な気持ちにさせる言葉に対する指導の研究を行う。
方 法
対象児童はA県B小学校,4年生の1学級の児童(35名:男子19名,女子16名)を対象とした。調査時期は2017年5月11日(Time1)に学級満足度尺度(河村,1997)を行い,実施後の2017年11月2日(Time2)に同様に調査を行った。実施内容は,5月22日~1学期末に4年生1学級の児童に対して,相手を嫌な気持ちにさせる言葉について,学習者自身がつまずきを解決できるように,対話を通じて考えさせる相互対話型指導を継続して行った。相互対話型指導を志向する教員は,つまずきを解決するための思考活動を教員と学習者が対話的に行うとされている。
結 果
4年生の1学級の児童のTime1・2の学級満足度尺度の被侵害得点の比較をした結果,被侵害得点が有意に低くなった。
考 察
結果から,相互対話型指導による嫌な気持ちになる言葉に対する指導を行うことで,児童の侵害感が低下したといえる。相互対話型指導によってつまずきを解決するための思考活動を教員と学習者が対話的に行ったことで,どのようなものが良くてどのようなものがいけないのかなど個々の児童が考えたり,みんなで決めたことは守らないといけないと考えるようになったりしたのではないかと思われる。河村(2017)は,アクティブラーニング型授業の展開を目指す教員の指導行動の一つとして,相互対話型指導を紹介しており,アクティブラーニング型授業を実施する際の学校現場の難しさとして,学級集団が達成すべき課題を指摘していることから,本研究の取組についても,今後,学級集団の状態との関連を明らかにする必要があると思われる。
文部科学省(2016)は,道徳の特別の教科化の大きなきっかけはいじめに関する痛ましい事案のためとし,「あなたならどうするか」を真正面から問う「考え,議論する道徳への転換」によるいじめ防止を行うとしている。実際,平成28年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果(速報値)において,小学校のいじめの認知件数は前年度より大幅に増え,いじめの様態では最も多いのが「冷やかしやからかい,悪口や脅し文句,嫌なことを言われる」であった。このことから,いじめの中でも,ひやかしやからかいなど言葉によるいじめに対する対策をすぐにでも講じる必要があると思われる。そのため,本研究では,小学校における相互対話型指導による相手を嫌な気持ちにさせる言葉に対する指導の研究を行う。
方 法
対象児童はA県B小学校,4年生の1学級の児童(35名:男子19名,女子16名)を対象とした。調査時期は2017年5月11日(Time1)に学級満足度尺度(河村,1997)を行い,実施後の2017年11月2日(Time2)に同様に調査を行った。実施内容は,5月22日~1学期末に4年生1学級の児童に対して,相手を嫌な気持ちにさせる言葉について,学習者自身がつまずきを解決できるように,対話を通じて考えさせる相互対話型指導を継続して行った。相互対話型指導を志向する教員は,つまずきを解決するための思考活動を教員と学習者が対話的に行うとされている。
結 果
4年生の1学級の児童のTime1・2の学級満足度尺度の被侵害得点の比較をした結果,被侵害得点が有意に低くなった。
考 察
結果から,相互対話型指導による嫌な気持ちになる言葉に対する指導を行うことで,児童の侵害感が低下したといえる。相互対話型指導によってつまずきを解決するための思考活動を教員と学習者が対話的に行ったことで,どのようなものが良くてどのようなものがいけないのかなど個々の児童が考えたり,みんなで決めたことは守らないといけないと考えるようになったりしたのではないかと思われる。河村(2017)は,アクティブラーニング型授業の展開を目指す教員の指導行動の一つとして,相互対話型指導を紹介しており,アクティブラーニング型授業を実施する際の学校現場の難しさとして,学級集団が達成すべき課題を指摘していることから,本研究の取組についても,今後,学級集団の状態との関連を明らかにする必要があると思われる。