日本教育心理学会第60回総会

講演情報

ポスター発表

[PF] ポスター発表 PF(01-71)

2018年9月16日(日) 16:00 〜 18:00 D203 (独立館 2階)

在席責任時間 奇数番号16:00~17:00 偶数番号17:00~18:00

[PF42] 大学生等におけるアルバイト就労と修学状況の関連

高本真寛 (横浜国立大学)

キーワード:大学生等, アルバイト就労, 学業

問  題
 大学生等における過度・過重なアルバイト就労が問題視され始め(今野, 2016; 厚生労働省, 2015),高本・古村(2018)では,アルバイト就労に関わる諸要因が抑うつや修学困難のリスクになりうることが示唆された。そこで,本発表では高本(2017)のデータを用いて,大学生等におけるアルバイト就労と学業の支障リスクの関連について検討する。

方  法
調査対象者
 高本(2017)と同じ調査対象者のうち,日勤・夜勤のアルバイトに従事する大学生等(4年制大学,短大,専門学校等)の2~4年生192名を分析対象とした(日勤者100名,夜勤者92名)。
調査票の構成
 アルバイト就労に関する変数 1. アルバイト就労中の心理的負荷のかかる出来事の有無を,高本・古村(2018)34項目を参考に2件法で尋ねた。
2. 深夜業の有無・日数,勤務時間,睡眠時間(過去1か月の平均時間)について回答を求めた。
 学生生活に関する変数 3. 髙本・古村(2018)8項目を用いた(2件法)。修学状況の指標にはこれまでに履修した講義における「不可」の取得数を「1つもない」「1 ~ 2つある」「3 ~ 5つある」「6つ以上ある」の4件法で回答を求めた。

結果と考察
 アルバイト就労に関する諸要因と学業困難との関連を検討するために,心理的負荷の出来事,深夜業の有無・日数,勤務時間,睡眠時間,学生生活に関する項目を説明変数,「不可」取得の有無を基準変数とした決定木分析を行った(Figure 1)。分析の結果,「夜勤の有無」が最も大きなリスク要因となり(χ2(1)=9.64, p=.002),加えて80時間以上の残業(χ2(1) =6.91, p=.009)や4時間以下の睡眠時間(χ2(1) =7.64, p=.023)がリスク要因となっていた。他方,夜勤のアルバイトに従事しない大学生等は,「5時間以下の睡眠時間」 (χ2(1)=14.72, p=.006)や「同僚とのトラブル」がリスク要因であった(χ2(1)=8.64, p=.003)。
 以上の結果から,深夜勤務や短時間睡眠などの概日リズムの乱れや疲労の蓄積を招きやすい要因が学業困難リスクとなっていた。このことから,労働衛生分野において,健康阻害リスクと考えられているリスク要因が,大学生等においても同じくリスク要因として評価可能であると考えられる。

○JSPS科研費 JP16K17302の助成を受けた。