[PH23] 小学校2年生生活科「お手伝い大作戦」による教育実践の検討
キーワード:お手伝い, 小学2年, 生活科
目 的
小学校2年生の生活科の単元において,各家庭で率先してお手伝いを行わせ,子どもたちが自立した家庭生活を送ることを目的に,教育実践を行った。単元の導入にあたっては,「お手伝いがんばりカード」を書かせ,毎日子どもたちに行わせた。また保護者からも前向きな協力を得た。
方 法
201X年10月から単元を開始し,12月まで実施した。対象は,大阪府の私立小学校の2年生1クラス42名,児童には「おてつだいアンケート」を,保護者には12月の懇談会時に「お手伝いに関するアンケート」を実施した。
結果と考察
(1)児童のアンケート結果
まず児童には,得意なお手伝いを尋ねた。おうどん,やきそばなどの料理のお手伝いが11件,お風呂掃除,トイレ掃除,庭掃除などの家の掃除・整理整頓が7件,食器の片付け・洗い物が5件,洗濯物のたたみが5件,アイロンかけが3件,布団ひきが2件,テーブル拭き・台拭きが2件,靴磨きが2件,おつかいが1件,お風呂入れが1件,分からない・無回答が2件という結果であった。
また,そのお手伝いが好きな理由と,おうちの人から言われて嬉しいことばを尋ねた。理由では,楽しいからが圧倒的に多く挙がった。もらって嬉しい言葉は,「よくやったね」,「ありがとう」,「すごい」,「上手だね」,「きれい」などであった。
さらに,今後やってみたい「お手伝い」についても尋ねた。その結果,雑巾,皮むき,掃除機,靴磨き,お米とぎ,アイロン,おつかい(買い物),食器洗い,水やり,料理,洗車,トイレ掃除,窓ふき,洗濯たたみ,庭掃除,洗濯などが挙がった。
(2)保護者のアンケート結果
回収率は,100%であった。
1)お手伝いカードについて
その結果,「有効だった」との回答が,100%であった。
2)お手伝いに対する子どもの意識
お手伝いについては,「習慣になっている」との回答が最も多く26件(61.9%),「言われないとしない」が11件(26.2%),「しない方が多い」が2件(4.8%),「その他」が4件(9.5%)であった。その他の意見には,「自分からお手伝いをしてくれるが,毎日はやはり難しい。」や,「普段は言われないとしないが,このカードを導入し自分からしていた」との回答が,認められた。
3)親のお手伝いに関する考え
お手伝いについては,「してもらって助かる」との回答が41件(97.6%),「その他」が2件(4.8%)であった。
4)自由記述
本研究の結果,お手伝いがんばりカードの導入により,お手伝いの意識が高まったことが窺われた。また,保護者の子育て・教育への意識の向上があわせて窺われた。
まとめ
本実践のように,お手伝いがんばりカードを導入し実践することで,児童がお手伝いを率先して行い,保護者も肯定的に子どもの行動を受け止めていることが明らかとなった。お手伝いをすることは,児童の生活の自立・自律にとってたいへん有効であるものと考えられる。
本単元は,保護者との協働の取り組みができたが,他の単元に汎化できるかどうかは,今後の研究課題である。2018年に新学習指導要領も告示されたので,小学校生活科の目的に沿った取り組みの見直しが求められよう。また,統計的なデータの補足も重ねて必要である。
小学校2年生の生活科の単元において,各家庭で率先してお手伝いを行わせ,子どもたちが自立した家庭生活を送ることを目的に,教育実践を行った。単元の導入にあたっては,「お手伝いがんばりカード」を書かせ,毎日子どもたちに行わせた。また保護者からも前向きな協力を得た。
方 法
201X年10月から単元を開始し,12月まで実施した。対象は,大阪府の私立小学校の2年生1クラス42名,児童には「おてつだいアンケート」を,保護者には12月の懇談会時に「お手伝いに関するアンケート」を実施した。
結果と考察
(1)児童のアンケート結果
まず児童には,得意なお手伝いを尋ねた。おうどん,やきそばなどの料理のお手伝いが11件,お風呂掃除,トイレ掃除,庭掃除などの家の掃除・整理整頓が7件,食器の片付け・洗い物が5件,洗濯物のたたみが5件,アイロンかけが3件,布団ひきが2件,テーブル拭き・台拭きが2件,靴磨きが2件,おつかいが1件,お風呂入れが1件,分からない・無回答が2件という結果であった。
また,そのお手伝いが好きな理由と,おうちの人から言われて嬉しいことばを尋ねた。理由では,楽しいからが圧倒的に多く挙がった。もらって嬉しい言葉は,「よくやったね」,「ありがとう」,「すごい」,「上手だね」,「きれい」などであった。
さらに,今後やってみたい「お手伝い」についても尋ねた。その結果,雑巾,皮むき,掃除機,靴磨き,お米とぎ,アイロン,おつかい(買い物),食器洗い,水やり,料理,洗車,トイレ掃除,窓ふき,洗濯たたみ,庭掃除,洗濯などが挙がった。
(2)保護者のアンケート結果
回収率は,100%であった。
1)お手伝いカードについて
その結果,「有効だった」との回答が,100%であった。
2)お手伝いに対する子どもの意識
お手伝いについては,「習慣になっている」との回答が最も多く26件(61.9%),「言われないとしない」が11件(26.2%),「しない方が多い」が2件(4.8%),「その他」が4件(9.5%)であった。その他の意見には,「自分からお手伝いをしてくれるが,毎日はやはり難しい。」や,「普段は言われないとしないが,このカードを導入し自分からしていた」との回答が,認められた。
3)親のお手伝いに関する考え
お手伝いについては,「してもらって助かる」との回答が41件(97.6%),「その他」が2件(4.8%)であった。
4)自由記述
本研究の結果,お手伝いがんばりカードの導入により,お手伝いの意識が高まったことが窺われた。また,保護者の子育て・教育への意識の向上があわせて窺われた。
まとめ
本実践のように,お手伝いがんばりカードを導入し実践することで,児童がお手伝いを率先して行い,保護者も肯定的に子どもの行動を受け止めていることが明らかとなった。お手伝いをすることは,児童の生活の自立・自律にとってたいへん有効であるものと考えられる。
本単元は,保護者との協働の取り組みができたが,他の単元に汎化できるかどうかは,今後の研究課題である。2018年に新学習指導要領も告示されたので,小学校生活科の目的に沿った取り組みの見直しが求められよう。また,統計的なデータの補足も重ねて必要である。