日本地質学会第128年学術大会

講演情報

ポスター発表

R9[レギュラー]堆積

[1poster43-50] R9[レギュラー]堆積

2021年9月4日(土) 16:30 〜 19:00 ポスター会場 (ポスター会場)

16:30 〜 19:00

[R9-P-4] (エントリー)米国オクラホマ州バイサイ地域のヨード生産井の物理検層記録に基づく ペンシルバニア系モロー層の分布と堆積環境

*関 海都1、千代延 俊1、荒戸 裕之1、髙橋 稔英2、三田 勲3 (1. 秋田大学院、2. IOCHEM、3. 資源地質環境ラボ)

キーワード:ペンシルバニア系、ヨウ素、貯留層、物理検層記録、堆積環境

はじめに アメリカ合衆国オクラホマ州のアナダルコ堆積盆に存在するペンシルバニア系モロー層は,砂岩を主体として泥岩を挟在する(Mhalon et al.,1991; Andrews 2008).この地域では,古くから石油・天然ガスが生産されるとともに,モロー層からのヨウ素の生産も盛んである.本講演では,掘削時に取得された物理検層記録を利用したモロー層における岩石物性分布モデルの構築過程と,そのモデルに基づいた堆積過程の復元研究について報告する. 資料と手法 調査地域および坑井は,オクラホマ州デウェイカウンティ周辺のタウンシップ 18N〜20N・18W〜20Wの範囲に掘削された80本の坑井である.この坑井群から取得された自然放射線(GR),中性子(NPHI),密度(DPHI)の各検層から,Andrews(2008)およびKamel.Mabrouk(2003)に基づいて,モロ一層準,岩相,孔隙率の検討を行った.また,一部砂岩で岩石コアが得られていることから,薄片観察による岩相観察も行った. 結果及び考察 モロー層は,NE-SWの延長方向に最大層厚105mで約30kmの幅をもつ帯状の分布を示し,SW方向に深度を増す.孔隙率は,調査地域中央北東部で14%を示す.南西部では,比較的低く7%を示す.薄片による岩相観察から,砂岩の粒子径は細粒~極細粒であり,石英を主体とする. 調査結果より地質モデルを作成した.地域内に分布するモロー層は以下の4つのFaciesに分類した.下位のFaciesよりFacies1(F1)からFacies4(F4)とし,その岩相を以下に記す. F1; 調査地域の南西部に分布し,主に頁岩を示す.F2; 調査地域の中央部から南西部に堆積する.砂岩を主体とするが,頁岩を挟在する.孔隙率は低値を取る.F3; F2の北東部に沿い分布する砂岩である.孔隙率は他の砂岩と比較し,高値を取る.F4; すべてのFaciesを覆い,砂岩主体で孔隙率が比較的低い値を取る.これらのFacies変化は,当時の海水準変化に応答した堆積中心の変遷を示している可能性が示唆され,調査地域におけるペンシルバニア系の堆積環境復元への一助となることが期待される. 参考文献 Mahlon,M.,Ball.,Mitchell,E.,Henry.,and Sherwood,E.,Frezon.,(1991): Petroleum Geology of the Anadarko Basin Region,Province (115),Kansas,Oklahoma,and Texas,Department of the Interior U.S. Geological Survey,Open-File Report 88-450W. Andrews,R.D.,(2008): Secondary oil recovery from the upper Morrow Purdy sandstone in Rice NE Field,Texas County,Oklahoma,Oklahoma Geological Survey Circular 111,p.13-25. Mostafa,H.,Kamel.,and Walid,M.,Mabrouk.,(2003): Estimation of shale volume using a combination of the three porosity logs,Journal of Petroleum Science and Engineering 40 p,145-157