The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

実態調査

実態調査

Sat. Jun 23, 2018 9:30 AM - 3:30 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-050] 口腔機能維持管理体制を導入している高齢者施設における5年間の口腔内実態調査

○橋本 岳英1、安田 順一1、小金澤 大亮1、太田 恵未1、金城 舞1、山田 茂貴1、玄 景華1 (1. 朝日大学歯学部口腔病態医療学講座障害者歯科学分野)

【緒言】
 介護保険施設での口腔ケアへの取り組みを促進させるために,介護報酬の面からも口腔機能維持管理体制加算が設けられた。当院では某特別養護老人ホームと連携し,月1回施設職員に対し,口腔ケアに関する技術的助言および指導を継続し行い,口腔機能維持管理体制加算を導入してきた。今回,その施設入所者に対し5年間,集団検診を行ったのでその結果を報告する。
【対象および方法】
 2013年から2017年まで某特別養護老人ホームに対し年1回,集団検診を行ってきた。検診内容は口腔内診査,衛生状態や口腔機能の指標として,O'LearyのPCR,口腔内カンジダ簡易調査ストマスタット®,口腔水分計ムーカス®による乾燥度の計測,細菌数測定装置細菌カウンタ®を用い評価を行った。
【結果・考察】
 5年間でのべ338名を検診した。平均年齢86.1歳,男性72名女性266名であった。O'LearyのPCRは2013年は平均49.3%,2017年は平均38.2%と減少した。カンジダ菌陽性反応者は,2013年35名(50.7%),2017年23名(35.3%)と減少した。口腔内の乾燥度は2013年は平均27.8%,2017年は25.4%と変化はなかった。細菌数測定では2013年は平均は2.3×107で,2017年は1.2×107でありほぼ半減した。施設職員に対し口腔清掃方法の指導を継続して行うことによりカンジダ菌陽性反応者の減少や口腔内細菌の減少の効果があったと考えられた。さらに施設全体では,発熱の頻度,インフルエンザ罹患頻度,入院頻度等の減少を認めており,口腔機能維持管理体制加算により一定の効果があった。