[摂食P-07] 誤嚥性肺炎による絶飲食症例が周囲のサポートにより経口摂取の維持が可能になった1例
【はじめに】
誤嚥性肺炎を繰り返すため,食事以外の日常生活が保たれている状態でも禁食とされている高齢者は多い。今回,このような患者に対して,周囲のサポートにより,中心静脈栄養の状態から経口摂取による食事再開が可能となり,現在まで維持ができている症例を経験したため報告する。
【症例と経過】
80歳男性,X年12月ごろから認知症を発症。X+2年10月にイレウスによる入院で一時的な禁食となった。その後,食事再開したが発熱を繰り返したため,禁食となり中心静脈栄養となった。退院後,家族の経口摂取再開の希望から同年12月当科初診,嚥下造影検査(以下VF検査)を行った結果,少量の水分の嚥下で喉頭蓋が翻転せず,喉頭蓋谷に残留,誤嚥を認めたがむせは弱かったため間接訓練を開始した。3ヵ月後のVF検査では喉頭蓋谷がゼリーなどで満たされると誤嚥せずに嚥下可能であったため,この摂食方法を家族や介護職員に指導し,お楽しみ程度で経口摂取を再開した。次第に経口摂取量が増加し,栄養士との連携で食形態もアップでき,中心静脈栄養を止め経口摂取のみで継続していた。しかし,X+3年8月に再度誤嚥性肺炎を発症し,胃瘻造設となり経口摂取との併用となった。X+5年経過した現在まで定期的に評価を行い,間接訓練と一日一食ではあるが経口摂取を継続することができている。
【まとめ】
中心静脈栄養となった状態から,経口摂取を再開し,誤嚥性肺炎を繰り返しながらも,維持することは周囲のサポートがなければ困難である。本症例のようにできるだけ長く経口摂取を維持するために,摂食方法をVF検査などで検討し,指導したことを実践できる周囲のサポート環境を構築することは重要であると考える。
誤嚥性肺炎を繰り返すため,食事以外の日常生活が保たれている状態でも禁食とされている高齢者は多い。今回,このような患者に対して,周囲のサポートにより,中心静脈栄養の状態から経口摂取による食事再開が可能となり,現在まで維持ができている症例を経験したため報告する。
【症例と経過】
80歳男性,X年12月ごろから認知症を発症。X+2年10月にイレウスによる入院で一時的な禁食となった。その後,食事再開したが発熱を繰り返したため,禁食となり中心静脈栄養となった。退院後,家族の経口摂取再開の希望から同年12月当科初診,嚥下造影検査(以下VF検査)を行った結果,少量の水分の嚥下で喉頭蓋が翻転せず,喉頭蓋谷に残留,誤嚥を認めたがむせは弱かったため間接訓練を開始した。3ヵ月後のVF検査では喉頭蓋谷がゼリーなどで満たされると誤嚥せずに嚥下可能であったため,この摂食方法を家族や介護職員に指導し,お楽しみ程度で経口摂取を再開した。次第に経口摂取量が増加し,栄養士との連携で食形態もアップでき,中心静脈栄養を止め経口摂取のみで継続していた。しかし,X+3年8月に再度誤嚥性肺炎を発症し,胃瘻造設となり経口摂取との併用となった。X+5年経過した現在まで定期的に評価を行い,間接訓練と一日一食ではあるが経口摂取を継続することができている。
【まとめ】
中心静脈栄養となった状態から,経口摂取を再開し,誤嚥性肺炎を繰り返しながらも,維持することは周囲のサポートがなければ困難である。本症例のようにできるだけ長く経口摂取を維持するために,摂食方法をVF検査などで検討し,指導したことを実践できる周囲のサポート環境を構築することは重要であると考える。